りつこの読書と落語メモ

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幻の女〔新訳版〕

幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

★★★★

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。

中学生の頃に大好きだったアイリッシュ。新訳ということで本当に久しぶりに読んでみた。
ちょっと強引な展開も古めかしさも美しい文章で逆にモノクロの映画を観てるような味わい。
そしてミステリとしても驚きがあって、素晴らしい!
捜査が甘々なのでは?とか、そんな状況証拠だけで死刑宣告はあんまりだ!とかあるけれど、それはそれ。
「幻の女」の摩訶不思議さや人間の記憶の不確かさなど、今読んでも十分面白い。

そういえばアイリッシュを読むきっかけになったのは子供用の「消えた花嫁」だった。
それから図書館で創元文庫で出ているシリーズを見つけて読むようになった。「暁の視線」とか「消えた花嫁」とかだいすきだった。
仲良くなった塾の先生に神保町の古本屋街に連れて行ってもらってワゴンの中に入ってるアイリッシュをお小遣いで買ったのもいい思い出。今もその本は大事に持っている。
当時はネットなんかももちろんなかったから、解説と文庫の後ろに載っている目録だけが情報のすべてで、「あと何冊出てる」とチェックして探すのが楽しかったなぁ。
なんてことをあれこれ思い出した。