りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場2月下席夜の部

2/29(月)、鈴本演芸場2月下席夜の部に行ってきた。

・翁家社中 太神楽
・馬生「安兵衛狐」
・さん助「もぐら泥」
〜仲入り〜
・ホームラン 漫才
・鬼丸「新粗忽長屋
・小菊 粋曲
・龍玉「夢金」

馬生師匠「安兵衛狐」
狐のおかみさんが長屋の連中に責めたてられて書を描いて「こーん」といなくなっちゃうって初めて聞いた。
耳の遠いおじさんの家もたずねないしサゲも違う。
ちょっぴり苦い後味だけどよりファンタジーな味わいでこれはこれでおもしろい。

さん助師匠「もぐら泥」
お寺で落語会をやることになっていたんだけど先方から苦情があって…と世話人の方から電話がかかってきた。
ドキドキして聞いてみると、どうやら先方が「柳家さん助」で検索してみたら、さん助は亡くなってるじゃないか!と。
それは先代で…と説明しながらも、世話人だってそんなことは知ってるはずなのにいったい自分はどうしたらいいのか、というのがなんか粗忽長屋みたいでおかしい。わははは。

そんなまくらから「もぐら泥」。
めったに聞くことがない噺なんでうれしい!

帳面が合わないと何度もそろばんをはじいている主人。
このパチパチいう音がやけにうまくておかしい。そういえば前の落語協会のさん助師匠の紹介ページ、そろばん弾いてるっぽい写真だったけど、あれって「もぐら泥」だったのかな。
今は後ろが金でぴかーっとした光が頭に反射してありがたい写真に変わってて面白い〜。って褒めてるのになんだか失礼な感じになってしまうのはなぜ。

どうしても帳面が合わないんだけどお前先月なんか買ってないか?とおかみさんに聞くと「あ、反物を買ったんだった」とおかみさん。
それを聞いてぶつくさ言う旦那に反撃するおかみさん。
旦那が嫌味を言うとそれを倍で返すおかみさん。
なんかこういうちょっと余分に思えるような地味な会話があってこそ、噺全体が面白くなるんだよなぁ。落語ってほんと面白い。

そこに昼間目星を付けていた泥棒が玄関口の土を掘って手を入れて鍵を外そうとするんだけど…。
見つけた旦那と「怖いから助けてやろうよ」と言うおかみさんとそこにどうにかしてつけこもうとする泥棒。
三者三様がすごく面白い。

旦那とおかみさんが寝てしまってどうにかして逃げようとする泥棒。
そこにお金に困っている男が通りかかり、なんとかしてそいつの手を借りて逃げ出そうとする泥棒。
この通りかかった男が泥棒に声をかけられて秋田の化け物と間違えてえらい驚くのがやたらとおかしい。
すごく楽しい「もぐら泥」だった。また見たいなぁ。

ホームラン 漫才
いつもの職務質問される話に入りかけて、そういえばこの間アサダ二世先生が職務質問されそうになって浅草演芸ホールに逃げ入ってきた、という話がめちゃくちゃ面白かった!
寄席に通ってしまうとどうしても色物が「いつものあれ」で笑えなくなってしまうんだけど、こういうのいいなー。

鬼丸師匠「新粗忽長屋
前にも一度聞いたことがあるんだけど、面白いなー。
おれおれ詐欺の電話がかかってきて、本人を呼んできてしまうおかあさん。たしかになんかこういうことってありそう。

龍玉師匠「夢金」
代バネで龍玉師匠の「夢金」が聴けてしまうのも嬉しい。

強欲な熊さんの信用のおけない感じと侍のいかにも悪人げな様子がリアル。
すごく寒そうで絵が浮かんでくるし、でもこの熊さんがちょい悪人だけどなんか魅力があって楽しいし、すごく龍玉師匠に合ってる!
好きだなぁ。龍玉師匠の「夢金」。見られてよかった。