りつこの読書と落語メモ

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独居45

独居45

独居45

★★★★

くたびれた一戸建て(平屋・貸家)に引っ越してきた男(45歳、作家、独居)。やがて、夜となく昼となく呻き声・悲鳴・絶叫が漏れ、屋根には血塗れの全裸女(マネキン)と巨大な赤剥けの手(粘土細工)が据えられ、はては探検を仕掛けた小学生が…。眠ったような町の住人―自殺しそこなった老人、うつの主婦、つやつや教信者の理髪店主、鳥インフルエンザにおびえる会社員等々と独居男がくりひろげる阿鼻叫喚のご近所狂詩曲。

これはまた凄まじいというかなんというか。
笑えるんだけどおぞましくて、目をそらしたくて目をそらせない気持ち悪さと面白さ。

坂下宙ぅ吉という作家が繰り返す自傷行為と奇行に巻き込まれていくフツウの人たち。
フツウ、常識的、というのがいかに危うくて残虐さと紙一重であるかということを見せつけられる。

怪しい新興宗教にのめり込むのも愛犬が鳥インフルエンザに感染したかもと恐れるのも鬱になり買い物にさえ出られなくなるのも人間なら、明らかな異物の憎悪をむき出しにするのも人間。
見たくないものをこれでもかと見せられたような感じなのだが嫌悪感は不思議となく、かなりおもしろかった。