りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

コドモノセカイ

コドモノセカイ

コドモノセカイ

★★★★★

とても孤独で、暗くきらめく、幼いときだけ見えていた、決して忘れられない小さな世界たち。名翻訳者が「子供」をテーマに選りすぐった、アリ・スミス、ステイシー・レヴィーン他12篇。

《目次》
「まじない」リッキー・デュコーネイ
「王様ネズミ」カレン・ジョイ・ファウラー
「子供」アリ・スミス
「ブタを割る」エトガル・ケレット
「ポノたち」ピーター・マインキー
「弟」ステイシー・レヴィーン
「最終果実」レイ・ヴクサヴィッチ
「トンネル」ベン・ルーリー
「追跡」ジョイス・キャロル・オーツ
「靴」エトガル・ケレット
「薬の用法」ジョー・メノ
「七人の司書の館」エレン・クレイジャズ

コドモノセカイと言っても岸本さんの選なのでほのぼのとは程遠い。
自分自身も子ども時代と言われて思い出すのは不条理だったりわけもなく恐ろしかったり不安だったりする感覚なので、この選には違和感なし。

怖いものに追いかけられたり友達を裏切ったり裏切られたり庇護してくれるはずの大人が心もとなかったり…そんなざわざわした気持ちを思い出しつつ、最後に収められた「七人の司書の館」にジーン…。
この物語のおかげでほんのりとあたたかい読後感。やられたぜ。