りつこの読書と落語メモ

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末廣亭12月中席昼の部(9日目)

12/19(月)、末廣亭12月中席昼の部に行ってきた。


南なん師匠「阿武松
わーい、南なん師匠の「阿武松」初めて!
この芝居はこれで7日通ったけれど全部ネタを変えてくれて本当にうれしい。やっぱりトリって特別だなぁ。
そしてよく寄席のトリにありがちな決まった噺じゃないところがまたいいっ!

大飯喰らいの長吉、親方の武隈に呼び出されてクビにされてしまう。この武隈がとてもコワモテというか迫力がある。
南なん師匠の落語って、出てくる登場人物のキャラクターがとてもはっきりしているし、表現が若々しいと思う。

そもそも大飯喰らいだから相撲にでもなれと言われて田舎を出てきた長吉。こんなんでは田舎には帰れない。だけど江戸にもいられない、と川に身を投げて死のうと思うが、武隈親方からもらった金を持ったまま身を投げるのは金に申し訳ないと思い、宿に泊まり思う存分米を食って死ぬことに。

あまりの食いっぷりに宿屋で女中が騒いでいるとそれを主の善右衛門が気が付いて、女中に注意をする。
うちの商売は宿屋だ。お客様がご飯をたくさん食べて頂くことはありがたいことじゃないか。それをそんな風に噂をするな。見に行こうなんて了見をおこしちゃいけない。
そう言いながら自分は気になって見に行くところがなんかかわいらしい。
こんなに食べていただいてよっぽどおいしいんですねと善右衛門が言うと「いやまずい」と長吉。
「一口食べるごとに寿命が縮まって行く」という言葉に「事情をお話しください」と善右衛門。

もうこの善右衛門がいいんだー。優しくてでもちょっとユーモアもあって。
善右衛門が自分が懇意にしている親方のところに明日連れて行ってやる、米もうちから届けてやると請け合ってやるところでは、思わず涙が…。知ってる噺なのになんか善右衛門のあたたかさにじーんときちゃって。

善右衛門から頼まれて長吉の姿も見ないうちに錣山親方が「とりましょう」と受けるところもいいなぁ…。またこの錣山親方がどーんとしていていいんだ。

長吉があっという間に出世して、武隈関と相撲をとることになったシーン。
「おのれぇ、飯の恨み…はらしてやる」とすごむのがおかしい。そしてそれを言ったあとに南なん師匠が「食い物の恨みは大きいですから。大変ですから。だからお腹を空かせてる噺家を見かけたら何か食わせてやってください。牛丼でいいですから」と言うので笑ってしまった。

とてもあたたかい南なん師匠の「阿武松」。よかった~。