りつこの読書と落語メモ

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お好み寄席「師走の夜噺」

12/8(木)上野広小路亭で行われたお好み寄席「師走の夜噺」に行ってきた。

開演時間が早かったので仲入りちょっと前に駆け込み。
小南一門会って見たことがないからほんとは最初から入って見たかった!
 
・小南治「はてなの茶碗
・南なん「夢の酒」
 
小南治師匠「はてなの茶碗
二楽師匠のお兄様だから確かに顔が似てる…でももっと似てるのは竹中直人だよね?!
顔が似てて声も似てるからもう竹中直人にしか見えなくなって絶対おかしなことやるでしょ?と変な期待をしてしまう。

「先月は初雪が降ったり、そうかと思えば地震があったり…。でも今日は安心してください。私が高座に上がってる間は絶対地震はありません。なんでかというと、今日やる噺は…めったにやってない噺でして…ですから…自信がないんです。」

…ぶわははは。思わず笑ってしまった。
そんなまくらから「はてなの茶碗」。
噺家さんによってこの茶金さんの印象が微妙に変わるんだけど、小南治師匠の茶金さんはからっとした剛毅な印象。
結局のところ、この茶金さんが噛んだことでこの茶碗にこれだけの価値が生まれたわけだし、そういうところがとても落語らしくて好きだなぁと思う。
若干関西弁がムムムなところもあったけれど、陽気で楽しい「はてなの茶碗」だった。


南なん師匠「夢の酒」
一門会ということで師匠の思い出。
「私はよくしくじりをして師匠に怒られました。穏やかな師匠だったんですけどね。私がよくしくじるもんで…褒められたことはなかったですね。怒られるばかりで。昔は師匠に怒られる夢を見ると寝汗をびっしょりかいて、朝起きると布団に自分の人型ができてました。寝汗で。今も時々師匠の夢を見ますけどやっぱり怒られてますね、夢の中で。でも今はうれしいですね、夢で師匠に怒られると、”ああ、俺が未熟だから師匠が心配してこうやって時々来てくれるんだなぁ”って。」
「師匠は絵が上手でしたから、サインを頼まれるとその横に絵を描いてましたね。それを見て私が「あー師匠すごいですね。うまいですね。赤ピーマン?」「ばかやろう。唐辛子だ!」。

そんなまくらから「お前さん起きておくれよ。あらなんだろう、この人、寝ながらうれしそうな顔してる。どんな夢見てるんだろう?風邪ひいちゃうよ。起きておくれよ」。
そのセリフに後ろの方から「芝浜?」という声が。
私は「天狗裁き」?
と思ったら「夢の酒」だった。
南なん師匠で聴くのは初めてでうれしい!!(でも南なん師匠の「芝浜」「天狗裁き」もいつか聞いてみたい!)

女房のお花に起こされて「なんだ。いいところだったのに」とつぶやく若旦那。
どんな夢を見てたのか教えてくれとお花に言われ「でもお前怒るから」というのだけれどお花に何度も頼まれて「それなら話すけど」と話し出す。
向島で雨宿りをしていると女中に声をかけられてそこで若旦那に恋い焦がれている御新造さんが出てきた場面でお花の顔が険しくなるんだけど、南なん師匠がやるとお花がかわいらしく拗ねてるというよりは「ムキー!」って怒ってる風ですごくおかしい。
お酒を飲んだと言えば「あなたったら普段は飲めないくせに女の人にお酌されれば飲むんですね!!」と怒りだし「しかも6本も!!」と声を荒げる。
それを見て若旦那が「この話はやっぱりよそう」と言うのがおかしい。

騒ぎを聞きつけて大旦那がやってきてお花が理由を話し始めると、お花がどんどん激昂してきてそれに対して大旦那が「落ち着いて。息を吐きなさい。」というのがめちゃくちゃおかしい。
お花は焼きもちを焼いているんじゃなくて、そういう心の隙があると悪い評判がたってお店がだめになってしまうのではないか、それが心配なのだ、と言いがかりに近いことを言って、大旦那に「だから夢の中に行ってその御新造さんにうちの若旦那には手を出さないように言ってください」と言う。

若旦那の夢の中に入って行った旦那。
御新造さんに言われるがままに家に入り酒を出されるんだけど「いや冷はやめてるんです。燗がいいんです。冷で一度体を壊しましてね。あ、いや、酒のことはどうでもよくて私は今日はお願いにあがったので」。
すると御新造さんが「あらまぁ、お清早くして。なにしてるんだい。旦那、1杯目だけは冷で勘弁してちょうだい」
「いや冷はだめです。燗がいいんです。冷は体に毒だから。あ、いやそれはどうでもよくてあのね私がこうして来たのはね…」
「清や早くして。何か見繕って作ってきてちょうだい。お燗もして。早く。あらでも旦那つなぎにまず冷で」
「いや冷はだめです」

もうこの繰り返しがおかしくておかしくて。夢って確かにこういうふうにかみ合わないことってあるから繰り返しを見ていると自分も夢に入ったような…。
それでサゲの場面にいくからもうたまらない楽しさ。
あーーー。やっぱり南なん師匠の落語はほんとに楽しい。安心して身をゆだねられる楽しさ。ラブ。