りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場12月上席夜の部(1)

12/1(木)鈴本演芸場12月上席夜の部
もう鈴本に住んじゃう?っていうぐらい鈴本に通ってる。鈴本さん、あたしに何かください。(くれるはずもなく…)

・扇遊「一目上がり」
・さん助「やかん泥」
~仲入り~
・にゃん子・金魚 漫才
・文菊「馬のす」
・夢葉 マジック
・天どん「食い違い」

扇遊師匠「一目上がり」
近くで見るとほんとに生き生きしていて表情豊かなのに驚く。扇遊師匠って前からこんなだったっけ?大げさっていうんじゃないんだけど、八がやってきたときのご隠居さんが弾むようにうれしそうだったり、八もご隠居の話に心底感心してたり…。この二人が本当に仲が良くてやりとりを楽しんでいるから何度見てもうきうきしてくるんだなぁ。なんか見ていてわくわくした。


さん助師匠「やかん泥」
いつものマイフェバリット小噺をやったあと「やかん泥」。
夜道が怖くて兄貴分に手をつないでもらう子分がかわいい。兄貴分も「指をからめるな」って…指をからめなければOKっていうのがおかしい。
どこまでも能天気などろぼうくん。なぜか後半の方がわやっとしたのがちょっと残念。落ち着け(←書くほどに失礼になっていく)。


文菊師匠「馬のす」
お友達の要望で真ん中より後ろの方で見ていたんだけど、それでもはっきりわかるメリハリのある高座。
なるほどー。
私はいつもすごい近くで見るから「くさく」感じてしまうっていうのもあるのかもなぁ。


天どん師匠「食い違い」
なんか久しぶりの天どん師匠。
前座さんが座布団を持ってくる時になんかためらうように後ろを振り向いていたので「もしや」と思ったら、やはり座布団と全く同じ色の着物だった。「安心してください。みなさん、ここからが着物ですよ。」って。わははは。
「この芝居…間間にハゲが入るんですね」にも笑った。「さん助はリアルにハゲですし、あと好き好んでハゲにしてるやつもいますし。」
だからハゲフェチの人にはもってこいって…。そんなフェチあるのかいな。

天どんという名前でいろいろ恥ずかしい思いをします、という話。
仕事柄宅急便がたくさん来るので宅急便のおにいちゃんはもう「天どん」とわかってる。
だけどこの間ピンポンと鳴ったので何かと思ったら「荷物を持ってきました」と言う声があきらかにおばちゃん。のぞいてみるとおばちゃんが大きな荷物を抱えて立ってる。
ええ?なに?と思って開けてみると別の号棟に住んでる人で、「あなたの荷物が間違ってうちにきた」と言う。
ああそうですかそれはどうもと受け取ったけど、受け取ります普通?だって宛先が「三遊亭天どん」ってなってるんですよ。

そんなまくらから「食い違い」。
鍋セットが届いて喜んでいる男が豆腐を切って鍋に入れている。「うまそうだな。いいなこのセット。でもなんだろうなこれ」と言ってよくよく宅配便の伝票を見ると「あ、やべ。これうちにきたやつじゃねぇや。うちは207号室にきたやつだ。うちは201号室。なんだよ、間違えて持ってきたのかよ。でもどうしよう。入れちゃったよ、豆腐。嫌でも待てよ。食ったわけじゃないからな。むしろ増えてるわけだから中身が」。
ぶつぶつ言いながらでもこのまま食うわけにもいかないしと鍋を持って207号室へ。
すると出てきた男「えええ?うちに来た鍋を作っちゃったの?今日届くって聞いたから楽しみにして待ってたのに。いい酒も来たからこれをちびちび飲みながらと思って」
「え?酒?ちょっと待って。それうちに来たやつじゃない?ちょっと伝票見せろよ」
見てみると、酒はそっちの男の方に来た分で「えええ?楽しみにしてたのに、飲んじゃってるじゃん!!」

で、話し合いの結果、二人で鍋をつつきあいながら酒を飲むしかないということになり、201号室に入り鍋をつつきあう。
いやでもこれはもとはといえば宅配が間違えたのが悪いわけだから苦情の電話をかけようということになり電話をかけると、宅配のおにいちゃんがやってきて…。

うわーなんか天どん師匠の新作を久しぶりに聞いたけど、すんごく面白い。なんだろ。なんかこのぐずぐず言い合う感じとか妄想に走る感じとかちょっとほかの人にはない世界。
作って間もない噺らしいんだけど、いいわー。
最近古典を聞くことが多かったけど、私は断然新作派だなぁ、天どん師匠の場合は。
楽しかった。