りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

上野広小路亭11月中席

11/12(土)、上野広小路亭11月中席に行ってきた。

・昇りん「たらちね」
・金かん「道灌(?)」
・蝠よし「元犬」
・昇々「初天神
・真理 いつもの
・夢丸「親子酒」
・金遊「子ほめ」
・美由紀 粋曲
助六「長短」
~仲入り~
・柳太郎「おかえり」
・Wモアモア 漫才
・南なん「転宅」
・蝠丸「二番煎じ」
ボンボンブラザーズ 曲芸
・米福「御神酒徳利」

金かんさん「道灌(?)」
名乗らなかったんだけど、うまいなぁと思ったのと佇まいも素敵だったので、あれは誰だったんだろうと調べてしまった。金遊師匠のお弟子さんらしい。
「道灌」だと思うんだけど、道灌は出てこなくて小野小町や深草少将のところ。
しゅっとしていて素敵だった。

蝠よしさん「元犬」
蝠丸師匠のお弟子さん。確かに語り口に少し師匠の香りが。
普通にサゲて拍手をしかけたら「普通はこれで終わりなんですけど。この噺は師匠に教わったんですが、実は続きがありまして。でも師匠から、この続きはとても珍しいから、お前もめったにやるんじゃないよ。特別なお客さんの時にやりなさいよと言われてます。今日は特別なお客さんなのでやらせてもらいます」と。

せっかく「特別」の続きだから書かずにおくけど、いかにも蝠丸師匠らしくてそのテイストをお弟子さんが引き継いでいるっていうのがすごく嬉しい。よかった。

昇々さん「初天神
聞きなれた小噺でもなんかこう異常さが出ていて壊れている。これが好きっていう人と嫌いっていう人が分かれそう。私は結構好きだけど。
初天神」もとにかく激しくて酷い(←ほめてます?)んだけどなんか面白い。
天神様が近づいてきてお店がたくさん並んでいてでも買ってくれって言わない約束で出てきたからそうとも言えなくて…ってなったときに「ああ、たこ焼き屋!いいなぁ。うまそうだなぁ」「ああっあそこに飴やが出てる!」「ああっ」って言ってると父親に「うるせぇ!静かにしろ!」と怒られる。
すると「怒られちゃった。怒られた。…怒られちゃった。…あそこで売ってるって言っただけなのに。買ってくれって言ってないのに。怒られちゃった。買ってくれとは言ってないのに。」

こういう子どもいたいた!なんか泣き所や突っかかってくるところが予想外でイライラさせる子ども!
おとうさんも相当異常な感じなんだけど、この子ども!昇々さんってこういう子どもだったのかなと思わせるめんどくささが出ていて、面白かった!

夢丸師匠「親子酒」
この日は団体さんが30名ほど入っていてそのおかげで椅子席の前の方がほとんど予約席になっていて、正直「ちっ」と思っていたんだけど、さらに団体のおじさん連中が日本酒を持ち込んで飲み始めて、しかもそれを見て夢丸師匠が酒のまくらや「親子酒」をかけたもんだから、「お許しが出た」と勘違いしたのか、地声で喋るはおつまみを回すわ袋をがさがさやるわ、うるさいうるさい。
こういうおじさんたちはただ飲みたいだけなんだから、何も寄席に入ってこなくてもいいじゃないの。飲みたかったから磯丸水産(←昼からやってる)に行けよ!と言いたい。
大好きな夢丸師匠だけど、おかげで酔っぱらいが付け上がっちゃったじゃない!と八つ当たりをしたくなった…。

金遊師匠「子ほめ」
前に見た時は「陰気だなぁ」と思っていたんだけど、二回目に見て、好きになった。
自分の友だちに「五」という数字にこだわっている男がいる、というまくら。生まれた日時によるものらしいんだけど、その男がナンバーズで当てて、当たった五万円を持って競馬に行って…。多分そうなんだろうなというオチだったんだけど、淡々とした語りがたまらなくおかしくて大笑い。
「子ほめ」も淡々としていてかなり引いているんだけどそこからちょっと皮肉な笑いが生まれて面白い。
しかも静かな語り口でうるさい酔っぱらいたちを鎮めたのも素敵だった~。

助六師匠「長短」
大好きな小助六師匠、音助さんの師匠。ついに見られた。
なんか独特の間でちょっと見ていてどぎまぎしてしまう。あやつりが素晴らしいと聞いていたんだけどそれは見られず残念。
「長短」もいつも聴く「長短」とは違って、長さんの方が上方の人、という設定。面白かった。

柳太郎師匠「おかえり」
シュールな新作。面白い。なんか好きだな、この師匠。

南なん師匠「転宅」
待ってました!の南なん師匠。あまりに「置き泥」が続いたのでちょっとへこんでいたんだけど、やっぱり好きなんだもん、見たいんだもんと気を取り直し。
お菊さんに色仕掛けをかけられて、でれ~と喜ぶ泥棒がかわいい!
「まじめにやってればいいことがあるんだなぁ」というつぶやきに思わず笑ってしまう。かわいいなぁ。かわいさって出そうと思って出るものじゃないし、器量によるものでもない(!)と私は思っているんだけど、南なん師匠はほんとにかわいいと思う。そして私はやっぱりかわいさがある人に弱いなー。

蝠丸師匠「二番煎じ」
この日は代演で蝠丸師匠が出ていたのでラッキー!
喉の調子が悪くて…と言いながらも「二番煎じ」をかけてくれる蝠丸師匠が素敵すぎる。
ししの肉…おいしそうだった…。
そしてご相伴にあずかる役人も楽しそうでいいな。

米福師匠「御神酒徳利」
米福師匠の「御神酒徳利」は前にも一度聞いたことがあるけど、楽しかった。帰ってくるところであんな言いたてがあったっけ?覚えてないんだけど、そういうのも楽しい。