りつこの読書と落語メモ

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第三十五回 鎌倉はなし会 柳家小三治独演会

10/19(水)、逗子逗子文化プラザホール なぎさホールで行われた「第三十五回 鎌倉はなし会 柳家小三治独演会 」に行ってきた。

 

・〆治「元犬」
小三治「宗論」
~仲入り~
小三治「転宅」
 
小三治師匠「宗論」
前に突然やって師匠が自分でも驚いていたけど、もう二度と聞けないだろうと思っていたらまた聞けるとは。
これっていつも信者の人が聞いたら怒り出さないかしらってちょっとドキドキしちゃうんだけど、こういうことをネタにするところが落語の好きなところ。
好きな噺というわけじゃないけど、人間国宝になった小三治師匠がこういう噺をケロっとやってしまうところが好きなんだなー。
キリスト教にかぶれた若旦那をそれほどバカっぽく描かないところも好き。
軽くて楽しかった。
 
小三治師匠「転宅」
この季節になると思い出すらしく、フランク永井さんの思い出と「公園の手品師」。
〆治師匠が入門したころに師匠は自分の家でカラオケ教室をやっていた。
教室っていっても先生を呼ぶわけじゃない。そしてカラオケと言っても当時はまだカラオケは出ていなくて、歌の入ってないLPを買ってきてそれをテープに入れてメンバーに配り、それぞれが練習してきて師匠の家で一人ずつ歌を披露する、というもの。
その当時メンバーは11名ぐらいいたので、ということは同じ歌を11回聞かされるわけで、そんなの面白いのかい?と聞かれるけど、これがとっても面白い。
なぜならお互いに点数を付けあってその時の一等賞を決めるのでみんな真剣に練習してくる。
で、あとから小三治師匠がミックスしてそれぞれに歌のテープを渡す。
これは結構手間暇がかかっていた。

フランク永井さんとはよくゴルフに行った。
それまで私はゴルフはやってなかった。あんなのは金持ちのやる鼻持ちならないスポーツだと思っていて、ボーリング専門だった。
ボーリングはかなり真剣にやっていてプロボーラーになろうかしらと思ったこともあった。
フランクさんにゴルフに誘われた同じぐらいの時期に志ん朝師匠からもゴルフに誘われた。
その前から誘われていて断っていたんだけど、「そろそろいいだろ。やろうよ」と言われたのでわざと「あんなのは貧乏人のやるスポーツだ」と言って断ろうとした。
「なんで貧乏人のスポーツなのさ?」と聞かれたので「あんなのは自分の家に庭のないヤツが人の庭を借りてちょこまかやってるんじゃないか」と言うと、志ん朝師匠は「だったらてめぇのやってるボーリングなんか、家に廊下のないヤツが人んちの廊下を借りてボールを転がしてるからもっと貧乏人向けだ」と答えた。
これにはマイッタ!。じゃやろうかなとやってみることに。

フランク永井さんとゴルフに行くときは彼がいつもジャガーで迎えに来てくれる。
志ん朝と行くようなゴルフ場じゃなく、金持ちしか来ないような高級なところ。なにせあちらはスターだから。
で、ゴルフっていうのはですね。たちえば誰かが失敗しても、こんなふうにね…見ないふりをするんですよ、お互いに。暗黙のルールでね。
でもあの人は違いましたね。
私が失敗するでしょ。そうするとこうやって…肩を震わせてゲラゲラ笑うんです。
下品ですよねぇー。

それからね。車で一度送ってくれた時に、先ほど申し上げたカラオケ教室の話をしてね。私の歌ってるテープがあります、聞いてみますか?といってかけたことがあるんですよ。
その時もね、私がゴルフで失敗したときみたいにね、ゲラゲラ笑って。「あなたよくこういうものを聞かせられますね」って。
下品ですよねぇ。
でもね、歌は素晴らしかった。本当に素晴らしかった。名曲はたくさんありますけど私が一番好きなのは「公園の手品師」です。
そういって口ずさみ始める師匠。
前にも一度聞いたことがあるけど、本当にいい声なんだなぁ。自慢でテープの歌声を聞かせたくなる気持ちもわかるなー。

そんなたっぷりのまくらから「転宅」。
これがもう前半の「宗論」とは打って変わってキレキレの高座。
お人よしの泥棒が、お菊さんの甘い言葉にコロっとまいってデレデレになって、翌朝ウキウキと家を訪ねてタバコ屋に真相を聞いて唖然とする。
ころころ変わる表情がなんともチャーミングで自然でおかしい。
このさりげない落語が本当に好き。
とても楽しい「転宅」だった。

でも逗子は遠いわー。さすがに。
昨年もそう思ったけど、有休とってわざわざ行くけど席もあんまりよくないし来年はもう行くのやめようかな…。
この日は行きも帰りも人身事故があって電車が遅延しまくりで、本当に疲れた。