りつこの読書と落語メモ

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末廣亭10月中席夜の部

10/18(火)、「末廣亭10月中席夜の部」に行ってきた。

・Wモアモア 漫才
・笑遊「寝床」
・蝠丸「八百屋お七
~仲入り~
・小痴楽「宮戸川(上)」
・春馬「死神」
・南玉 曲独楽
遊雀「宿屋の仇討ち」


笑遊師匠「寝床」
ちょうどWモアモア先生のころに団体さんが20名ぐらい入ってきてお弁当を食べていたんだけど、これがどうにも気になって仕方ない笑遊師匠。
弁当をいじるいじる。
特に桟敷席は目に入ってしまうらしく「弁当食われながらやってる身にもなれ」とか「(こんなに言ってるのに)まだ食う?」とか。
初めて来てあんな風に言われたらもう二度と来たくなくなっちゃうんじゃないかとちょっとひやひや…。
笑遊師匠、大好きだけど機嫌の上下が激しくて怖いよ~。
だけどそのせいなのかとにかく爆発的にアナーキーに面白い「寝床」でもう笑いっぱなしだった。

この間の伸治師匠同様、義太夫の会を長屋の連中が全員なんだかんだと言って断るところまでだったんだけど、「あたしは今義太夫をかたりたくてかたりたくてしょうがないんだよ。もう義太夫が迸ってる。ここまで来てる!」とのど元を指して、げぇーげぇー。
「あ、弁当食べてる人がいるのに、いいのかこれ」と自分で言ってたけど、わざとですよね(笑)?
すごくキレキレで爆発的に面白かった。こわかったけど。

蝠丸師匠「八百屋お七
出てくるなり「ただいまはお見苦しいものをお見せして申し訳ございません」と頭を下げた蝠丸師匠。
笑遊師匠が作り出していったピリピリした空気を一気にふわっと和ませる。
ああ、大好きだーこの師匠。
「うるさいですねー。もうヤケクソですね、あれは。でもあれだと誰も寝ないね。寝てられないね。あんなにうるさくちゃ」。

「私の方はあんなふうじゃないですから。そっとやりますから」
お弁当をディスられまくっていたお客さんもこの言葉にほっとしてくれたらいいなぁ…。

八百屋お七」はお芝居ではあるけど落語にはないんですか?ということを時々お客様から聞かれることがあるんですが、あるんですよ。でもあんまりやる人がいないです。私は時々やってみなさんにこういう噺ですよーって紹介申し上げてるんですけど。
この噺はサゲが二種類あるというほかに類を見ない噺でして…しかもそのサゲが類を見ないぐらいばかばかしいという…。
そこらへんも注目して聞いていただければ。
そんなまくらから「八百屋お七」。

筋書きとしては陰惨なんだけど、間間に楽屋話とか小噺とか挟まれているので、とっても楽しい。
私、あんまり地噺って得意じゃないんだけど(気が散っちゃう)、蝠丸師匠のは好きだー。ゆるゆる楽しい。
お七が決め台詞を言うところなんか「芝居だと玉三郎がやったりしてすごく盛り上がるんですよね。掛け声があっちこっちからかかって。じゃやってみますね」と言って、座布団の上に女らしく斜め座り。
「私がこうやると…色っぽいというよりは入院患者みたいになっちゃうのが情けないんですが」
ってもう楽しすぎる。
サゲも予告通りばかばかしくて楽しかった~。
ほんとに見るほどに好きになる蝠丸師匠。最高。


小痴楽さん「宮戸川(上)」
おお。小痴楽さん久しぶり。
前はもっとデリケートで線が細い印象だったけど、しばらく見ない間にお客さんに身を委ねる余裕も出てきたような…。売れてるオーラも出てきていて、たのもしいようなちょっと寂しいような。
半ちゃんが碁を打ってきたところを「霊岸島のおじさんと」と言い間違えて「あ、間違えた。霊岸島じゃねぇや」。
間違えても全然見苦しくなくてむしろやんちゃな感じがして客席が一体化したのはすごいな。
サゲも変わっていてとてもよかった。いいな、小痴楽さん。
 
遊雀師匠「宿屋の仇討ち」
若侍の尊大な感じと江戸っ子3人組のわいわいした感じの対比がすごく楽しい。
隣の部屋にいて静かにしろと言っているのが侍と聞いて、ひゅっと引く3人組。
静かにしようと思って芸者を帰したのに、相撲で盛り上がったり、色事の話を聞いて「げーんちゃんは色事師!」とはやし立てたり。
その後の気の毒な展開もばかばかしくも楽しくて、笑い通し。
草津の湯で耳にした話を自分のことのように語ってやろうと、上方見物をしている道すがらずっと稽古をしていたという源ちゃんがおかしい。
楽しかった~。