りつこの読書と落語メモ

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末廣亭10月上席夜の部 文左衛門改め三代目文蔵襲名披露興行

10/6(木)、「末廣亭10月上席夜の部 文左衛門改め三代目文蔵襲名披露興行」に行ってきた。
最初は行くつもりはなかったんだけど、twitterで次々流れてくる楽しそうな高座の写真や平日なら当日行っても前の方に座れるという情報を耳にして、これは行かなきゃ!という気持ちに。


ホンキートンク 漫才
馬風 いつもの
・一朝「目黒のさんま」
~仲入り~
・襲名披露口上
(玉の輔、正雀、一朝、文蔵、小さん、馬風
・ダーク広和 マジック
・小さん「長短」
正雀「音曲風呂・豊竹屋」
・正楽 紙切り
・文蔵「道灌」


ホンキートンク 漫才
ホンキートンクに間に合ってよかった!
お披露目バージョンの「僕の血液型」(溜めが長い)と「僕の星座」(軽くジャンプ)。馬風師匠の視線を気にしながらの「時パスタ」。面白かった!


一朝師匠「目黒のさんま」
入った瞬間に「目黒のさんま」だーー!と嬉しくなる。大好きな師匠で大好きな噺を聴ける幸せ。
お殿様が調子がいいけど決してバカ殿っぽくなくて品があって好きだなぁ。
焼き立てのさんまが出てきた様子(「ぷしゅーっぷしゅぷしゅ!」と油が撥ねてたり、炭がまだくすぶってる)がキレキレで楽しい!
この師匠はすごくリズム感がいいんだなぁ。素敵だった。


襲名披露口上(玉の輔師匠:司会、正雀師匠、一朝師匠、文蔵師匠、小さん師匠、馬風師匠)
正雀師匠、一朝師匠、文左衛門師匠って林家一門なのか。そうかー。
一朝師匠の口上がとてもよかった。先代の文蔵師匠のことが大好きだったんだな、というのが伝わってきて。そして文左衛門師匠のことを「こわもてだけど気の弱いところもあって真っ直ぐな人」と言っていたのも印象的だった。

正雀師匠が「披露目はとにかくお金がかかる。ここにおいでのみなさん、仕事を作ってやってください」と頭を下げたのも「おじさん」らしくてあたたかかった。

馬風師匠がいたけど全体的にふざけすぎない口上がとてもよかった。真打披露目の時もこれぐらいにしてもらいたいなぁ。


小さん師匠「長短」
「親子酒」じゃない!(嬉)
この師匠、ちょっと陰気なところが苦手だけど、笑いを求めてガツガツやらないところは好きだな。長さんがわざとらしくゆっくりじゃないところが好きだったな。


文蔵師匠「道灌」
とても嬉しそうで、だけど緊張感も漂わせている文蔵師匠。寄席で見る文蔵師匠はいつも客を食ってて余裕綽々に見えるので、こんな姿を見られるのはすごいレア感。
そして「楽屋がね。楽しいんだ。」と嬉しそうに言っていたのにもじーんとしてしまった。やっぱり披露目っていいなぁ…。

何の噺をされるかもう決めていたみたいに「道灌」。披露目で道灌って!
これが今まで聞いたことがないくらいロングバージョンの「道灌」だったんだけど、口が悪いけどご隠居のことが大好きで時間ができると無駄話をしようとやってくる八さんが文蔵師匠と完全に一致していて、聞きなれたやりとりも全てが楽しい。
ご隠居が何か言うたびにまぜっかえすんだけどそれがちゃんと二人のコミュニケーションになっていていいなぁ。

文蔵師匠は正直言って好きなタイプの噺家さんではないんだけど、こうやってお披露目に来て、「この人ってこういうひと」と自分が決めつけていたのとはまた違った姿を見ることができて、そして気負いすぎないけど心のこもった高座を見られて、本当によかった。

 

普段は撮影禁止だけど今日は特別。楽屋に残ってる人たちを呼び集めての撮影タイム。 ご機嫌な正楽師匠を見つめる文蔵師匠の優しいまなざし。

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