りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第126回江戸川落語会

 

江戸川区総合文化センターで行われた「第126回江戸川落語会」に行ってきた。
毎年この会は有休をとって行っていたんだけど、新小岩案外近いということに気が付いて、今年は会社帰りに行ってみた。やればできる!


・小はぜ「まんじゅうこわい
・左龍「壺算」
・一琴「片棒」
~仲入り~
小三治「出来心」


小はぜさん「まんじゅうこわい
明るくて威勢がよくて表情豊かな「まんじゅうこわい」。小はぜさんって案外けろっとした人なのかな。


左龍師匠「壺算」
奥さんがテレビショッピング好きで健康器具を次々買ってくる、と左龍師匠。
最近買ったのが足が開いたり閉じたりするやつ。買ってもいい?と聞かれ1万円以内だったから「いいよ」と返事をし、届いた器具を左龍師匠が組立てて、奥さんがその上に乗って何回か開いたり閉じたりしたのだが、それっきり。
家にはそんな器具がわんさかある。この会場にいらっしゃるみなさんの家にも一つや二つあると思いますよ。
そんなまくらから「壺算」。得意な噺を余裕でやって会場をあたためた、という感じ。


一琴師匠「片棒」
今年は不倫が流行りましたね、と一琴師匠。
流行ったもなにもなんか騒ぎすぎじゃねぇ?というのが私の感想なんだけど。イメージが悪くなってCMおろされるっていうのはわかるけど、番組に出てると視聴者が「不愉快」って電話してくるって…あほか、って思うけどなー。だいたいワイドショーの司会者とかコメンテーターって何様なのさ。人を裁けるほど自分が偉いのかよ。
なんて思っていると「落語家でも東西の大物が…」と一琴師匠。そこで拍手が起きると(なぜ拍手?)「でもね…芸人はね…芸人はいいんじゃないですか?」。
自分が入門したころは上の師匠方々から「いいか。芸人なんてもんは脇に女の一人二人いるようじゃねぇといけない」と言われたもんですけどね。いいでしょ、芸人は。
そう言ったあとに「…ここまで賛同が得られないとは思いませんでした」
…わはははは。

そんなまくらから「片棒」。
いやぁこれが面白かった~。特に次男のくだりがおかしくておかしくて。声が大きくて広い会場に響き渡るからおかしさも倍増だった。


小三治師匠「出来心」
どんな商売だって優しいってことはないんだそうですね、と小三治師匠。私たちの商売もね「気楽でしょ」と言われますけどね。気楽に見えますかね?
まぁね。家に帰るとね。子どもはもう3人とも巣立ってしまったのでかみさんと二人。並んでテレビ見てても会話もない。それに比べるとここ(高座の上)は気楽でいいです。

そんなまくらから「出来心」。
おお。もしかして荒川の時のリベンジか?!

時々ちょっともやっとしちゃう小三治師匠と、ぼんやりした半人前の泥棒が重なって、また独特の面白さが出て来てる。

この噺で一番好きなのは、大家さんと八のやりとりの部分。意味不明なことを言う八にあきれながらも「じゃ、2人分ぐらいにしておくか」「また言ってるよ」「バカの一つ覚えだな」と相手をする大家さんがいいなぁ。

キレキレではなかったけれど、スピードが衰えることなく、でも全体的にとぼけた味わいがあってすごく楽しい「出来心」だった。満足。