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りつこの読書と落語メモ

はてなダイアリーからブログに移行しました。

上野広小路亭9月中席

9/11(日)、上野広小路亭9月中席に行ってきた。

・遊七「狸札」
・晴太「道灌」
・鯉丸「寄合酒」
・柳若「お菊の皿
・花 紙切り
・圓満「子ほめ」
・笑好「動物園」
・扇鶴 音曲
・小文治「宮戸川(上)」
~仲入り~
・紅「春日局
・Wモアモア 漫才
・とん馬「替り目」
・金遊「大工調べ」
・喜楽・喜乃 太神楽
・南なん「ねずみ」

 

遊七さん「狸札」
きれいな女性の前座さん。あがっているのかちょっと危なっかしい感じのところもあったけれど大きな声でのびのびした高座。


晴太さん「道灌」
今回で3回目だけど寄席の高座を見るのは初めて。
声が大きくて堂々としているから安心して見ていられる。難しい噺の方が実は得意?道灌はちょっとやりにくそうな印象が。

柳若さん「お菊の皿
広小路亭では一人の持ち時間が20分と長いのだけれど、ことのほか長く感じたのはなんでだろう。
お菊の皿」って改変するとこの噺じたいの面白さが薄れるような気がするんだけどなぁ。


花さん 紙切り
いろいろ尋ねるけどお客さんの返事が全然聞こえてなくてなんかちょっと失礼な感じに。そんなつもりはないんだろうけど。紙切りって耳も良くないとだめなんだな。


圓満師匠「子ほめ」
数え年についてのまくらのあと「子ほめ」。真打になったばかりとは思えないような余裕の高座だけれど、この師匠はどうも暗くて苦手…。


笑好師匠「動物園」
間が悪すぎて笑う隙を与えない。しーんとした客席を「小康(笑好)状態」と言っていたけれど、客をいたたまれない気持ちにさせないでほしい…。

扇鶴先生 音曲
いかにもやる気がなさそう~なのに色気があって見るたびに好きになる。三味線も音数少なくて声も小さくて消え入りそうな語りなんだけど目が離せない。ラブ。


小文治師匠「宮戸川(上)」
まくらで女っぽく見える所作をレクチャー。女性は形が「く」の字になるようにすると色気が出るらしい。右の物を取るのに右手を使わずに左手で「く」の字になるように肩を曲げてとると色っぽい、と。なるほど。そんなまくらから「宮戸川(上)」。正直聞き飽きた噺だけれど、お花ちゃんが色っぽくて思わず見とれる。


紅先生「春日局
せっかく張扇を5回叩いたら「拍手」をするようにとまくらで講義したのに、「春日局」の中で5回張扇を叩くシーンがなかった…。残念。


とん馬師匠「替り目」
前に見て他の噺も聴いてみたいと思っていた師匠だったけどまた「替り目」だった。残念。


金遊師匠「大工調べ」初めて見る師匠。く、暗い…。「大工調べ」自体があんまり好きな噺じゃないっていうのもあるんだけど、最後に与太郎が啖呵を切るところまで一切笑いどころがなくて聞いていてちょっと辛かった…。


南なん師匠「ねずみ」
出てきた師匠が「私で最後です。みなさん、一緒にがんばりましょう」と言った時、ほんとにようやくここまでたどりついた…と感無量に。

この間のお江戸日本橋亭でゲストに出た時に話していた、蝠丸師匠と鯉昇師匠に廃墟となった旅館に肝試しに行った時の話。
蝠丸師匠のことを「落語はすごく上手な師匠なんですけど変わり者なんです。だって幽霊にとりつかれたいって言うんですから」と言うので大笑い。

とりつかれたい蝠丸師匠じゃなくて怖がりの南なん師匠に幽霊がとりついたらしく、その後悪いことばかり起きる。
ケガをしたり高座でうけなかったり…。「高座でうけなかったのは単にうけなかっただけかもしれませんが」。
浅草の観音様に行ってお参りをしたらその後ぴったり悪いことがなくなったけど、そのあとどうやら鯉昇師匠にとりついたらしくその後ずーーーっととりつかれっぱなしらしいです。

こんな風に南なん師匠がまくらを話すのは珍しいなぁと思っていると「今ふと思い出したから話したんですけど。あんまり普段こういうのやらないんですけどね。なんか他のこと考えていてつい…。思い出したから話しただけなのでこれとは全然関係ない噺やります。出てきたときに何をやるか決めてなかったもんですから。でも決めました。今からやります」。

ぶわははは。こんな始まり方珍しい~。

そんなまくらから「ねずみ」。南なん師匠の「ねずみ」は初めてなのでうれしい~!
甚五郎が江戸を出て仙台を旅していて子どもに声をかけられるところから。
宿をすすめておいて「うち、汚いですよ?」「障子もびりびりに破れてて」「そのかわり畳もぼろぼろで」という子どもがなんともいえずかわいい。
「おじさんは夜、布団で寝たいですか?」
「ちょいちょい妙なことを言うねぇ。布団で寝たいねぇ」
子どもに対する甚五郎が優しくていいなぁ…。

宿屋に行って主から話を聞いているところで、甚五郎が「ところで、とらやっていうのは何でそういう名前になったんだい?」。
ん?「とらや」の名前の由来を聞くところなんかこの噺にあったっけ?と思っていると「お、お前さん。もしかして聞くことを間違えてやしないかい?」「あ、ああ。間違えた。ええと。ねずみってなんでそういう名前にしたんだい?…あーーーびっくりした。」
南なん師匠が間違えてそんな風に言いなおすことがあるんだーーと大笑い。ファンだからっていうのもあるかもしれないけど、でもこういう時にその人の真の姿が現れるようで、こういうの楽しい!

ねずみを見に村の人たちが来るところも、悪気のない田舎の人たちの姿が見えるようで楽しいし、宿に泊まり客がいっぱいでありえない人数が泊まっているっていうのも、南なん師匠の語りがなんともいえずユーモラスなのでありそうな感じすらして楽しい。

この噺をすごーく人情話っぽくやる人もいるけど、南なん師匠のは軽くてかわいくて落語らしくて聞いていて心地よく楽しかった!

あーー楽しかった。
やっぱり南なん師匠だけでも見に行きたいよう。会社を早退するか中抜けするか…。どうにかして見たい。