炎の眠り
★★★★
ぼくは呆然としていた。目の前に、三十数年前に死んだ男の墓がある。そこに彫られた男の肖像が、なんとぼくそのものだったのだ! そのとき見知らぬ老婆が 声をかけてきた。「ここにたどり着くまで、ずいぶん長いことかかったね」捨て児だったぼくは、両親の顔すら知らない。そう、自分が本当はなにものなのか も……衝撃作!
大好きなジョナサンキャロルを久しぶりに再読。
ダークファンタジーっていわれてもなんだかあんまりピンとこないんだけど、リアルの中にファンタジーがひょいっと踏み込んでくるところがたまらなく魅力的。
恋人を送った帰り道に奇怪な自転車に乗った奇怪な男が自分に向かって聞いたことのない名前で呼び掛け「よく戻ってきた!」というシーン。すごく印象的でぞくぞくする。
唐突だったり荒かったりするところもあるけど、フィクションを読む楽しさがぎっちりつまってる。
また少しずつ再読していこうと思う。