りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小んぶにだっこ

7/28(木)、落語協会で行われた「小んぶにだっこ」に行ってきた。
毎回本当に楽しみなこの会。会場に向かう時、小んぶさんが入り口に立ってる姿を想像するとうれしくなって顔がにやけてしまう。

・小んぶ「反対俥」
・小んぶ「ネタバレ(新作)」
・小んぶ「抜け雀」

小んぶさん「反対俥」
ポケモンGOが流行ってますね、と小んぶさん。
家にテレビがなくて、寂しいからと実家から持ってきたラジオが壊れて、情報を入手する手段がなくなってしまった。でもそんな私でもポケモンGOのことは知ってました。
スマホを持っているのでやってみようかと思いダウンロードしてやってみることに。
自分はそれまでポケモンって知らなかったので、よく意味がわからない。それでもポケモンを見つけてボールを投げてつかまえることはできるようになって、「これが面白いのか?」と疑問を持ちながらもやってる。
噺家なんていうのはひねくれ者が多いので楽屋でやってる人はいなくて「あんなのやるのはバカだ」という意見が大半。いまさら自分はやってるとは言えず「ふんふん」と話に混じっている。

ジムというのがあってそこで自分のポケモンを戦わせることもできる。
そろそろ行ってみるかとどうやるかもわからずジムに行ったんだけど、さすがにそういうところに出るようなポケモンは強くてまるで太刀打ちできない。
気のせいだとは思うけど相手と向き合った時、自分のポケモンが「おい、どうしたらいいんだよ」と不安そうな顔でこっちを振り向く。そしてぼこぼこにやられて死んでしまう。
ああ、おれのせいでこいつが死んでしまった、すまなかったと思いながら、でもまた新しいポケモンを捕まえている。

小んぶさん!そのヤラれたポケモン、げんきのかけらで回復させられるから!と教えてあげたい!
そうか。お見送りしてくれたときにそう話しかければよかった!

そんなまくらから「反対俥」。
最初の病弱な俥屋がおかしいおかしい。ふにゃ~と力の抜ける加減がおかしくて大笑い。
そして威勢のいい俥屋の走り方がなんか独特ですごいおかしい。この噺を教わった時、次の日すごい筋肉痛になるって言われて、まさかそんな…と思ったんだけど、昨日老人ホームでやって今日は太ももがすごい筋肉痛、と。
威勢のいい俥屋さんはどんどん南へ行って最後は種子島。ロケットと張り合う。っていったい誰に教わったんだろう?

小んぶさん「ネタバレ(新作)」
今朝できた新作とのこと。落語に出てくる登場人物ってそのままネタバレになってることが多い。「けちべえ」とか「与太郎」とか。それでそういう名前でネタバレしてる新作ってどうかなと思って作ってみた、と。
刑事に尋問をうけている主人公。その名も「冤罪」。「俺じゃない。俺はやってない」と言うのだが信じてもらえない。そこにやってきたのが「真犯人」という名前の刑事。自分にはこの仕事はあわないから今日でやめる、という…。
シュールというかバカバカしいというか型破りというか。ほんとに独自で面白いなあ。このまま変にすれずに独自な新作を作っていってほしいな。

小んぶさん「抜け雀」
これがまた独特な抜け雀で。
宿屋の主人がとにかくお人よしでじんべえさんというより与太郎っぽい。とにかくお客に逆らわない。なんでもにこにこ受け入れる。それがいかにも小んぶさんらしくて面白い。

あの客は怪しい。金をもらって来い。言いづらいならこう言いな。
おかみさんに言われて客のところに行って棒読みで言い始めると、客が「いいよ。わかったよ。全部聞こえてた」。
ぶわははは。面白くしようと思ってそうしたというより、小んぶさんが自分でそう考えたんだろうなというのが伝わってきてすごくおかしい。
客が衝立に絵を描くと言いだして、墨をすれと言われてするんだけど、「あ、いいにおい、ほら」と墨を客の鼻先にやって、「やめろよ」と鬱陶しがられるのがおかしい。「お前鼻だけはいいな」と言われると「ほめられちゃった」と本気で喜んでいる。
「そんな目なら銀紙でもつめとけ」と言われて「はい。やっておきます」。ここでもさからわない。
客が一文無しと聞いて怒り狂うおかみさんが「もういやだ。あんた、離縁しておくれ」と言うと「やだ!」とそこはきっぱりさからう。

絵師の父親が来て雀を休ませたほうがいいと聞くと「わかりました。私が描きます」と宿屋の主人。「お前は書いちゃだめだよ」と父親が慌てるのがおかしい。
鼻だけはいい、目に銀紙を入れろと言われた主人が「あ!(銀紙入れるの)忘れてた」と言うのがもう…なんだよ、それ。おかしすぎる!

ほんとに小んぶさんらしい「抜け雀」で大笑いだった。楽しかった!