りつこの読書と落語メモ

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貝がらと海の音

 

貝がらと海の音 (新潮文庫)

貝がらと海の音 (新潮文庫)

 

 ★★★★★

郊外に居を構え、孫の成長を喜び、子供達一家と共に四季折々の暦を楽しむ。友人の娘が出演する芝居に出かけ、買い物帰りの隣人に声をかける―。家族がはら む脆さ、危うさを見据えることから文学の世界に入った著者は、一家の暖かな日々の移りゆく情景を描くことを生涯の仕事と思い定め、金婚式を迎える夫婦の暮 らしを日録風に、平易に綴っていく。しみじみとした共感を呼ぶ長編。  

 いただいたものや作ったものをご近所におすそわけし、娘や息子の家を訪ね、おくりものをし合う。頂いたお花を飾り、頂いたお総菜を味わい、妻の作ったおはぎをお供えし味わい、孫の手紙や習字を楽しむ。

なんて豊かな暮らしなのだろう、昔は物がないからこんなふうに暮らせたんだねと思って読んでいたら、そんなに昔のことではないということに途中で気づいて驚く。

消費することだけが幸福なのではないと教えてくれる。
こんな風に毎日を穏やかに感謝して過ごせたら本当に素敵だと思う。自分の神経が毛羽立ってきているなぁと思ったら読みたい本。心が慰められる。