りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

毘沙門寄席 喬太郎と兄弟弟子の会

6/25(土)、「毘沙門寄席 喬太郎と兄弟弟子の会」に行ってきた。

・百んが「浮世根問」
・さん助「かぼちゃや」
・小傳次「空飛ぶハンマー」
・左龍「壺算」
~仲入り~
・喬之助「徳ちゃん」
喬太郎「芝カマ」

百んがさん「浮世根問」
そうだ。この間浅草演芸ホールで聞いたのもこれだった。出てきたときは何だこの人?と思ったけど、徐々に百栄師匠のお弟子さんらしさが出てきている。

さん助師匠「かぼちゃや」
さん助師匠の「かぼちゃや」は初めて聴いたんだけど、心配症のおじさんが出て行く与太郎の後ろ姿に向かってああだこうだと大声で注意を言うのがおかしい。
ぶつくさ言いながら歩く与太郎がおとなのような子どものような奇妙な味わい。「みんなでよってたかって俺をはたちだはたちだって…。ずっと7つでいたかった」には笑った。

かぼちゃを売るのを手伝ってくれたおじさんが、もう一度やってきた与太郎の話を聞いて「お前…路地を広げろとか言ってひょうきんなのかと思ってたけど…本物だったんだな」と感心するのがおかしい。
からっと明るくて楽しい「かぼちゃや」だった。

小傳次師匠「空飛ぶハンマー」
お寺や葬儀会社でやった落語会などの長いまくらのあとに突然手拭いを上で大きく振り回すしぐさで始まったのには大笑い。すごいインパクト。小傳次師匠の新作って初めて聴いたけど、楽しかった。

左龍師匠「壺算」
瀬戸物屋の番頭さんのキャラが立ってて面白い。「壺算」でもこんなにたっぷり笑いを盛り込むことができるのか。うーん、すごい。
寄席でももっといろいろ違う噺をすればいいのになぁ、左龍師匠。

喬之助師匠「徳ちゃん」
同じ一門会でも「さん喬一門会」と言われると緊張するけど「兄弟弟子の会」と言われるとずいぶん気楽です、と喬之助師匠。
雲助一門なんかは3人の弟子が全員師匠の芸を踏襲しているけれど、うちの一門はみんなばらばら。野放し感がすごい。
ぶわははは。でもばらばらなのに一体感があるところがすごくいいよなぁ、この一門。ピリピリしたところがないっていうかのびのびしているっていうか。

喬之助師匠の「徳ちゃん」、楽しかった。この噺大好き。芋を食べながら入ってくる女郎がたまらない。

喬太郎師匠「芝カマ」
初めて聴いた「芝カマ」。いやもうすごい。いろいろすごい(笑)。
いちゃつきあうカップルの表現がものすごくリアルなので、確かにこれは男同士という設定にしないと見ていられないかもしれない。
そこまでやるかと思うぐらいふざけるところもあるのに、でもそこには凄い「愛」があって、ある意味本寸法の「芝浜」よりも「愛」が描かれている気がする。ものすごい熱量、なのにどこか引いた冷たい視線もある。

やっぱり喬太郎師匠ってすごい。圧倒された。