りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

浅草演芸ホール6月上席夜の部

6/6(月)浅草演芸ホール6月上席夜の部に行ってきた。

・ニュースペーパー コント
・伸治「お菊の皿
・うめ吉 俗曲
・南なん「千両みかん」

ニュースペーパー コント
何が面白いのか全くわからない。
でもいつもの安倍の真似じゃなかっただけましだった。あれは本当に嫌い。無理。

伸治師匠「お菊の皿
初めて見る師匠。着物とか所作とかがきれい。
軽くて明るくてとっても楽しい。そして優しさがにじみ出てる。
すごく楽しかった。好き好き。

南なん師匠「千両みかん」
便利な世の中になって昔はその土地でしか食べられなかった名産品も東京で買うことができたりネットで取り寄せることができる。
野菜や果物も一年中食べられる。
そして粒がそろっていてきれいなものが好まれる。
きゅうりなんかも今はまっすぐ。
昔はこんな風に曲がったきゅうりだったのに。
曲がってたっていいじゃないか。
ってここを強く言っちゃうんですけど。

そんなまくらから「千両みかん」。
こんな面白い「千両みかん」初めて。
おっちょこちょいの番頭さんに今にも死にそうな若旦那。この二人の対比がおかしい。
ことさら大げさにやるわけじゃないんだけど近くで見ると細かいところが独自の動きとかリズムがあってこれが私のツボにはまるのかしら、と。
みかんなら買ってきますよと請け負ってしまった番頭さんが八百屋を何軒もめぐるところ。
「みかんありますか」と聞かれた八百屋がぶっきらぼうだったり冷たかったりちょっとはずしてたり。
主殺しの様子を八百屋がリアルに語るのがめちゃくちゃおかしくて、ひぃーとなる。

日本橋のみかん問屋の様子は蔵を開けた時の涼しい風が見ていても感じられて、うわーーとなった。
ようやく手に入れたみかんを若旦那が食べる様子を嬉しそうに見つめる番頭が、皮捨てちゃうんですか?と言うのもおかしい。

それでも若旦那が回復して良かった良かったと喜んでいた番頭さんが廊下に出てみかんを見つめながら「自分はこれだけ奉公して50両、でもこのみかんは一房300両。」とつぶやいて遁走する決心をしたときのぐらっとくる様子がたまらない。
雇われの身とするとちょっと身につまされる噺だけど、でもばかばかしくてもあって楽しい。

すごく素敵な千両みかんだった。よかった。