夏の沈黙
- 作者: ルネ・ナイト,古賀弥生
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2015/05/29
- メディア: 単行本
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テレビドキュメンタリー制作者のキャサリン。49歳の彼女は順風満帆の生活を送っていた。手がけたドキュメンタリー番組が賞を獲得、夫は優しく、出来がいいとはいえない息子も就職して独立している。だが、引っ越し先で手にした見覚えのない本を開いた瞬間、彼女の人生は暗転した。そこに登場するのは自分自身だ。しかもその本は、20年にわたって隠してきた、あの夏の秘密を暴こうとしている!圧倒的なリーダビリティ、巧緻きわまりない伏線、予測不能の展開。発売を前に25か国で発売が決定した、大型新人の驚異のデビューミステリ!
嫌な話や〜と思いながらもページをめくる手を止められず。
ぼんやり読者の私さえ、これは明らかにミスリードを狙ってるなとわかる箇所が幾つか…。
特に前半のわざとらしいくらいのキャサリンの嫌な女っぷりが…。
それでも最後まで読んである程度附に落ちるのだから、たいしたものだ。
って変なほめかた?
安っぽくなりそうでならなかったのは、男と女の性差が描かれていたから。
息子に死なれた母親、秘密を抱え記憶に蓋をして生きる母親。見えているようで見えてない夫。彼らの心の動きや行動はとてもリアルでそこが物語に深みを与えていたように思う。
なんにせよ良くできたイヤミスでしたわ。