りつこの読書と落語メモ

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呪文

呪文

呪文

★★★★

寂れゆく松保商店街に現れた若きリーダー図領。悪意に満ちたクレーマーの撃退を手始めに、彼は商店街の大改革に着手した。廃業店へ若い働き手を斡旋し、融資制度を立ち上げ、さらには街の自警団「未来系」が組織される。ほのかに希望の光が差しはじめた商店街に、誰もが喜ばずにはいられなかったのだが…。雑誌掲載時より話題沸騰、著者最高傑作!!

とてもリアルな今の時代の空気と、私が嫌悪するナニカが描かれている。
あーこの感じ、嫌だよなぁ怖いよなぁ違うよなぁと思うのだ、すごく。でもそれが何なのかうまく言葉で説明できない。

ファシズム、マインドコントロール、恐怖による支配。
洗脳されたり操られたり過激な思想に走るのは、現実的にお金に困っていたり生活がかつかつだったり未来の希望が持てなかったりすることが多いんじゃないだろうか。
そんな人の弱味につけこんで恐怖で金縛り状態にし思考停止状態にする、そんな人や組織が嫌いだ。

自分たちが「クズである」と思い、自分たちにできることは自決でそれでこの腐った世の中を動かしてやる。
なぜ突然そういう結論になってしまうのか、警戒していたのにどうしてそんなふうに洗脳されてしまったのか、そこがよくわからないのだが、しかしこの流れって今の時代そこかしこに転がっているのだ。

最後まで読んで作者が伝えたかったことを自分が理解できたか自信がないのだが、でもこの結末を読んでこれで良かったのだと思った。