りつこの読書と落語メモ

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ワンダー Wonder

ワンダー Wonder

ワンダー Wonder

★★★★★

オーガストはふつうの男の子。ただし、顔以外は。生まれつき顔に障害があるオーガストは、10歳ではじめて学校に通うことになった。生徒たちはオーガストを見て悲鳴をあげ、じろじろながめ、やがて……。
全世界で300万部売れた、感動のベストセラー

フツウであっても生きていくのはなかなかしんどいのに、ましてやオーガストのような障害を持っていたら…そんな子を公立小学校にいれるのはまさに子牛を屠殺場に送り込むようなもの。初日帰ってきたオーガストを迎える親の気持ちを思うと胸がつまる。

この本が素晴らしいのはオーガストだけでなく姉や友だちの視点からも物語が語られること。
オーガスト自身は自分の顔について詳しくは語らないのだが、他の人たちの視点から語られることによって、どれほど凄い外見であるかがわかる。
そしてあからさまに偏見を持っている人間でなくても、一目見た時に思わず目をそむけてしまう、というのは無理もないことなのだ、自分だって間違いなくそう反応してしまうだろう、と思う。

でも、同情であっても校長先生から頼まれたからであっても親から望まれたからであっても、オーガストと向き合い話をした人たちはみな彼の人柄に惹かれていく。
ジャックの章は特にぐっときた。

いつも親からないがしろにされているように感じ、それでもオーガストを心の底から愛し心配する姉のヴィア。
高校に行って親友と思ってた友だちが離れていき、それを家で話すことができないヴィア。彼女の苦しみにも目を向けてあげてくれと読みながら思ったけれど、オーガストの章を読んでいる時はそんな風にはまるで思わなかった。
みんなそれぞれの事情があり苦しみがあるっていうことを、この本は気づかせれてくれる。

でも辛いだけじゃない楽しい瞬間、まわりのひとと心かよわせあう瞬間もあって、私たちはみんなそうやってどうにか生きているのだ。
悪い人もいる、信じられないほど嫌な目にあうこともある。でもそれ以上にいい人の方が多いと信じている。オーガストの両親の言葉。
私もそう信じて生きていきたい。