りつこの読書と落語メモ

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ある夢想家の肖像

★★★

少年が微睡みのなかで見る、終わりのない夢…思春期の生の瞬間、その息づかいを濃密に伝える。ミルハウザー初期傑作長篇、待望の邦訳!

これでもかと続く綿密で近視眼的な描写と、繰り返される「退屈」の描写に、ぐあーーーとなりながらどうにか読んだ。久しぶりのミルハウザー
どの作品も「面白い」と思って読んだはずなのに、この作品はどこをどう面白がればいいのかわからなかった。
もしかすると過去の私はわかった気でいたけど理解できずにでもなんかすげーと思って面白いと自分に言い聞かせていたのか?!あるいはこの作品が他と比べて毛色が違うのか?

解説を読んでみると、「ミルハウザーらしいと思える面と、およそミルハウザーらしくない、と思える面があるのではないか」とあるので、なるほど…と思う。
おそらく私が今まで読んできたミルハウザーの小説はもう少し幻想に傾いていたのでその部分がとても楽しかったのだけれど、これはあれこれ幻想的なシーンもあるけどそれって要するに思春期の少年の夢想なの?というのがあって、今一つ幻想に乗り切れなかったのだ。

とはいえ、面白くなかったかといえばそんなことはなかったし、今まで私がほんとにミルハウザーを分かって読めていたのか疑惑も浮かび上がってきたので、今まで読んできた作品も少しずつ読み直していきたい。