りつこの読書と落語メモ

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ジゴロとジゴレット: モーム傑作選

★★★★★

避暑地でダイエット中の中年女性たちの前にスレンダーな女性が現れて巻き起こる仲間割れ。結核療養所での患者同士の結婚式。占領軍のドイツ兵の子を身ごもったフランス人女性の気丈。政治家が精神科医に告白する屈辱的な幻視。カジノで危険な芸をみせて生計を立てる夫婦の悲哀。ヨーロッパを舞台に、味わいと企みと機知とユーモアに彩られた大人の嗜み、その極致八篇を新訳で愉しむ。

読んだことのある話もあったが、やはりモームの短編はいいなぁとしみじみ…。
意地悪さやシニカルなところもあるけれど、悪も含めて人間を面白がる視線があって楽しい。

表題作は、これが「女」だよなぁ!という感じがして思わずニヤリ。
あなた女性が嫌いでしょう?と詰め寄りたくもなるが、でも当たってるから許そう(←何様)。

一番好きだったのは「サナトリウム」かな。
肺病に冒された患者たちを集めたサナトリウム。ここが一番居心地がいいと退院してもすぐに舞い戻ってくる古株もいれば、死期が迫っている患者もいる。
そんなサナトリウムに芽生えたロマンス。
意地悪な作品も書くモームがこんな作品も書いているというところがたまらない。