りつこの読書と落語メモ

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妻を帽子とまちがえた男

妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)

妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)

★★★★★

病気について語ること、それは人間について語ることだ―。妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする男。日々青春のただなかに生きる90歳のおばあさん。記憶が25年まえにぴたりと止まった船乗り。頭がオルゴールになった女性…。脳神経に障害をもち、不思議な症状があらわれる患者たち。正常な機能をこわされても、かれらは人間としてのアイデンティティをとりもどそうと生きている。心の質は少しも損なわれることがない。24人の患者たち一人一人の豊かな世界に深くふみこみ、世界の読書界に大きな衝撃をあたえた優れたメディカル・エッセイ。

小川洋子さんが絶賛されていたので読んだ。
博士の愛した数式」の着想はここから得たのかも、という事例もあってファンとしては嬉しかった。

レナードの朝」の原作者によるメディカルエッセイということなのだが、医者としての冷静な視線だけでなく、患者さんの人間性や歩んできた道を優しく見守る視線があって、そのバランスがとてもいい。
脳神経に障害を持つということは普通に考えたら悲劇以外の何物でもないのだが、病気も含めてその人そのものであり、その人の過去や資質を含めての病気である、ということがこの本を読んでいるとよくわかる。

とてもよかった。
何度も読み返したい。