りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

巣鴨巣ごもり寄席

8/19(水)、スタジオフォーで行われた「巣鴨巣ごもり寄席」に行ってきた。

・入船亭小辰「青菜」
・神田山緑「出世馬喰」
〜仲入り〜

・昔昔亭A太郎「酢豆腐
・春風亭柳若「もう半分」

小辰さん「青菜」
冷蔵庫を買ってうれしかったというまくら。野菜室にすいかを入れて悦に入る小辰さんを想像して思わずにんまり。
そんなまくらから「青菜」。小辰さんって端正な落語をやる人という印象が強いんだけど、若者らしく(?)想像以上に激しくて爆笑の「青菜」だった。
確かに若い噺家さんにはおじいさんっぽく風流にやってほしくないかも。楽しかった。

山緑さん「加藤孫六・出世馬喰」
初めて見る講談師さん。講談はいつも始まるまで「私にわかるかな」と心配なんだけど、始まるとぐいっと物語の中に引き込まれてしまう。
孫六が馬方の親方のところに半ば無理やり弟子入りするところはペラペラしゃべり通しで愛嬌があって面白い。
何年か修業をしたのち一人で武者修行に出たいと親方に申し出るところ、おかみさんとの別れのシーンには思わず涙がぽろり。

A太郎さん「酢豆腐
A太郎さんを「イケメン」と言う人もいるけど、私にとっては「なんか変わった人だなぁ」という印象が強い。
この日も「待ってました」という声がかかったんだけど、「こういうのいやですね。やめてほしい。リズムが壊される」とニコリともせずピシャリ。
かと思えば、最近両耳が聞こえなくなって今も全然聞こえないから、お客さんが笑っても笑わなくても気にならない、と言ってみたり。
なんか本気か冗談かわからなくて実際話してもかみ合わないんだろうなぁ、と思ったり。
でもそれが不愉快というわけじゃなく、なんか面白いなーと思って好きなんだけど。

酢豆腐」はA太郎さんを初めて見た時、この噺だったんだ。
この若旦那の奇怪さがなんともいえず楽しい。A太郎さんにぴったりな噺だなぁ。この「酢豆腐」はA太郎さんのが一番面白いと思う。

柳若「もう半分」
桜島の噴火については地元の人間にとっては「いつものこと」なので心配とか全然してないんです、と。
そういえばこの間鯉八さんも同じことを言ってた!
噴火しても灰が降ってきても体育が中止になったりしませんから。普通に灰が舞い散る中体育やって、灰をかき集めてゴミで出すんです。

故郷鹿児島に帰った時の話。
夜、打ち上げの後に歩いていると、路面電車を待ってる男がいたので「観光客で終電が終わっちゃったのが分からないのかな。」と思って声をかけた。
すると男が「ああ、終電終わったのは知ってるけど、どうやって帰ろうか考えてるところだ」と。
話してたら酒の匂いがしたので「あ、そうですか。じゃ酔い覚ましがてらそうしてたらいいですね」と言って去ろうとすると男が突然「なんだと!!!」と激昂。
どうやら「酔いを醒まして」の一言が気に障ったらしいのだが、いきなりの激昂ぶりにびっくり。しかも「馬鹿野郎」だのなんだの暴言の連発に自分もかっとなって最終的には「死ね、じじい!!」。
親切心から声をかけて心温まるエピソードになるつもりがとんだ結果に…。

そんなまくらから「もう半分」。
ネタおろしだったのかな。ちょっと危なげなところもあったけど、なかなかニンにあっていて、怖おもしろかった。