りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本夏まつり さん喬・権太楼特選集

8/12(水)、「鈴本夏まつり さん喬・権太楼特選集」に行って来た。

・さん助「夏泥」
・仙三郎社中 太神楽
・志ん輔「豊竹屋」
・菊之丞「短命」
・一之輔「かぼちゃ屋
・ペペ桜井 ギター漫談
喬太郎まんじゅうこわい
・露の新治「腕食い」
〜仲入り〜
・あずみ 三味線漫談
・権太楼「幾代餅」
・正楽 紙切り
・さん喬「笠碁」

さん助師匠「夏泥」
この季節、寄席で「夏泥」を聴かない日はないくらいだが、よく聴いているのとは微妙に違う。誰に教わったんだろう?
なーんて、ド素人があそんなこと知ってどうすんの?って話だけど、なんか気になっちゃうのだ。

よく聴くかたちでは、泥棒に入れらた男は、金をせびっているんだろうけどはっきりとそうは言わずああだこうだと話をして、それを聞いた泥棒がいてもたってもいられず金を渡してしまうんだけど、さん助師匠のは男がはっきり「金貸してくれよ」と言う。
いいだろう、人の頼みはきくもんだよ、とかなんとか言って結構図々しい。
それより、はっきり頼んでないのに泥棒の方が次々お金を出しちゃう方が笑いどころは大きいような気はする。
そのかわり、男が泥棒が忘れた煙草入れを追いかけて行って返すところで、泥棒と一緒で「お前、いいやつかわるいやつかわからないな」という気持ちにさせられる。
そういう意味ではこの泥棒もそうなのだよなぁ。それがサゲにもつながるわけで、笑いどころは少な目だけど、人間くさくておもしろい。

菊之丞師匠「短命」
菊之丞師匠の「短命」は何回も見ているけど何回見ても面白い。リズム感が異様にいいから、聞いていて気持ちが良くて楽しい。

一之輔師匠「かぼちゃ屋
お客さんをぐっとひきつけて大爆笑させるこの力技、いつ見ても惚れ惚れするなぁ。
くすぐりが時折妙に文学的なのがツボ。

露の新治師匠「腕食い」
めちゃくちゃよかった!!もうまくらから心をぐっと持っていかれてしまった。
この噺はあんまりやる人がおらんのです。なぜかといえばそんなに面白くないんです。
そう言いながら「腕食い」。初めて聴く噺。

遊びに果てに店の金を持ち出して行方不明になった大店の若旦那が乞食の恰好をして店に戻ってくる。
気が付いた番頭は風呂に入れてやり自分の着物を着せてやり甲斐甲斐しく世話をする。
しばらくそのまま店に置いていたのだがある日番頭が若旦那に「いつまでもこのままでいても」と忠言。 ある大きな店で養子の口があるのだが行かないか、という。そこのお嬢さんは小町と呼ばれるほどの美人なのだが悪い病があって何人婿に来てもすぐに離縁されてしまうのだという。
そのお嬢さんの病とは…。

なんともいえず清潔感があってでもおかしみもあって柔らかくて軽くて気持ちのいい落語。好きだ〜。
もっとこの師匠の落語を見てみたい!!

権太楼師匠「幾代餅」
明日もさん喬さんが「幾代餅」をやりますけど私のは爆笑編です。私がやるとあの「幾代餅」もこんなんなっちゃうと思って聞いてください、と。

いやもうおかみさんも親方もみんな底抜けに明るくて楽しい「幾代餅」。
それでも幾代太夫の美しさは伝わってくるんだよなぁ…そこがすごいなぁ。
楽しかった。

さん喬師匠「笠碁」
大好きな噺だけど、さん喬師匠の「笠碁」はいい…ほんとにいい。
この二人のおじいさんの意地の張り合い、碁が打てなくて家でいらいらしている様子、笠をかぶって出かけて行ってちらちら覗くおじいさんに、それに気づいてこっち来いこっち来いと首を動かすおじいさん。
とても人間くさくてかわいらしくて、それだけに仲直りして嬉しくてニコニコして「もうここいらで残ってるのは私とあなた二人だけだよ」と話すところが、なんとも良くてじーん…。