りつこの読書と落語メモ

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女ごころ

女ごころ (新潮文庫)

女ごころ (新潮文庫)

★★★★★

Up at the Villaが原題。若く美しい、不幸な結婚した未亡人メアリーはフィレンチェのヴィラで疲れた心を癒している、彼女の前には昔から見守ってくれた男、申し分のない英国紳士エドガーがいる。ある日、ふと知り合った、亡命者の青年にメアリーは情けをかけるが、本物の「恋」と思った青年はピストル自殺を遂げてしまう。彼女がその時頼ったのは「ならず者」と呼ばれる男であった。そして彼女は・・・美しい未亡人と三人の男の織り成すモームドラマ。モーム67歳の油の乗り切った時の作品

べらぼうに面白い。
学生時代に読んで「面白い!」と思ったけど、多分そのときの数十倍面白く感じた。
これぞ女ごころってやつだなぁ。分かる、分かりすぎる、分かりすぎて「わー」と声が出てしまうくらい。

ほんとの自分を見てくれて女としての魅力を認めてくれる男に女は弱いのよねぇ…。
長い間自分のことを思い続けてくれていたとしても、自分が見たいようにしか見てくれてない男なんて、ねぇ…?
とはいえ、この選択が幸せに結びつくかどうかはまた別の話なわけで。(多分うまくいかないと思う)

モームらしく登場人物を辛辣に描いているけれど、かれらの愚かしさがまた愛しくもある。
今読んでもまるで古びていないのがすごい。

因みにこの写真の通りの新潮文庫で読んだのだが、家に古くからあった本でなんと100円。
文字も小さいしフォントも妙ににじんでいるけど、それがまた楽しくて。 新訳ばかりがもてはやされるけど旧訳もいいものだなぁ。