りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

魚群記 (目取真俊短篇小説選集1)

魚群記 (目取真俊短篇小説選集1)

魚群記 (目取真俊短篇小説選集1)

★★★★

〈平和を愛する美しい癒しの島〉のイメージと裏腹に、戦争と支配の歴史、現実の政治に翻弄され、いまだ悲しみの癒えない島、沖縄。そこに住む人びとの生の喘ぎを、かすかな息遣いをも伝える傑出した描写力で紡ぎ出す作家の、その幻想的かつリアリティに迫る作品世界を集成。単行本未収録作品12篇を含む中・短篇から掌篇までをほぼ網羅する全33篇を発表年順に収録した作品集全3巻の第1巻。

辛かった…。 非常に美しい文学的な文章なのだが、内蔵をえぐり出されるような痛みを伴う読書。
全編に怒りと悲しみと死が溢れていて圧倒され、普段見ないようにしているものを目の前に差し出され思わず目をそらす。

救いはそれでも生きていることと、死はすべての終わりではない、ということか。
多くの人に読まれるべき本だと思うけれど、読むのが非常にしんどい本でもある。