りつこの読書と落語メモ

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第16回「遊雀式」

4/20(月)、日暮里サニーホールで行われた第16回「遊雀式」に行ってきた。

・遊かり「金明竹
・蘭「曲馬団の女」
遊雀「野ざらし」
〜仲入り〜
遊雀「庖丁」

蘭さん「曲馬団の女」
会場に入る時、私の前を髪の毛をモリモリに盛った着物姿の女性が歩いていたんだけど、それが蘭さんだった。
遊かりさんもおっしゃっていたけど、きれいな人〜。どこから見てもいい女なんだけど、なよなよしてなくて男らしいのが素敵。
「曲馬団の女」は浪花節チックというか昭和のかほり漂う物語だったけど、スパッと男らしい語り口だったから湿っぽくならなくてよかった。

遊雀師匠「野ざらし」
今月は寄席のかけもちをしていて仕事だからもちろんありがたいんだけど、しかしこれが1つが国立で歌丸師匠がトリの芝居、もう一つが池袋で鯉朝師匠がトリの芝居…わかりますかね?国立は歌丸師匠が長講噺をしっかりやる本寸法…お客さんも満員でしかも「国立」ですから。で、次に行く池袋がなんていうんですか、マニアックっていうか秘密結社っていうか…ギャップがすごくてさすがに疲れました、と。

そんなまくらから「野ざらし」。
女の骨を供養して自分のうちにも来てもらおうという八さんが実に楽しそう。
浮かれる八さん、あきれるまわりの人たちの対比がくっきり出ていて、とにかく楽しい「野ざらし」。やってる師匠も楽しそう。

遊雀師匠「庖丁」
初めて聴く噺だったので、どういう展開になるのだろうかとドキドキしながら見ていた。
久治という兄貴分を訪ねてきた寅。ぶおとこでカラッケツの寅に対して、久治は清元の師匠をしている女に面倒を見てもらっていて羽振りもいい上にもっと若い女といい仲になったから女房が邪魔になったと言う。
自分が留守の間に家を訪ねて女房を口説いてくれ、そこに自分が帰ってきて女房を責め立て家から追い出し女郎に売って、その金を二人で山分けしようと久治。
それを聞いた寅が「それはひどい。」と断るのだが、こんなこと頼んだら喜んでやってくれるやつはいくらもいると脅され、それじゃやるよ、と引き受ける。
酒を持って家を訪ね飲み始める寅。久治に聞いた通り、つくだ煮を出してくれだのお香こを出してくれだの女房に頼む寅なのだが、肝心の「口説く」がうまくいかない。
そうこうしているうちに思わず久治に頼まれたとネタばらしをしてしまう寅。
それを聞いて女房がごろつきだった久治に尽くしてあそこまでしてやったのに…と悔しがり、だったらあたしと一緒になってくれと言うと、すっかりその気になる寅。
そうとは知らない久治が帰ってきて…。

寅がなんとも憎めないキャラクターで楽しい。
いかにもごろつきで信用できない感じなのに、悪だくみを聞いて「それはいけないよ」と断ったり、女房を口説こうとしてもまるでなびいてこないのでやけっぱちになったり、逆に女房に口説かれてその気になってから「でも俺騙されてるのかな。でも俺なんにもないしな」と逡巡するところが、なんともいえずおかしくて笑ってしまう。
ハラハラ心配したけれどいかにも落語らしいオチで、好きだーこの噺。
とてもよかった。

ホーム!という感じでまくらも自由でほんとに楽しそうな師匠を見られるこの会。
次回も行きたい。