りつこの読書と落語メモ

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風の丘

風の丘 (新潮クレスト・ブックス)

風の丘 (新潮クレスト・ブックス)

★★★★

風の吹きすさぶ赤い丘に暮らす一家の、四代にわたる物語。カンピエッロ賞受賞作。イタリア半島最南端、赤い花の咲き乱れる丘に根を下ろして暮らすアルクーリ家の人々。ときに横暴な地主に、ファシズム政権に、悪質な開発業者に脅かされながらも、彼らは美しい丘での生活を誇り高く守り続ける。そしてその丘には、古代遺跡のロマンと一族の秘密が埋もれていた。権威あるイタリア・カンピエッロ賞受賞作。

イタリア半島最南端のロッサルコの丘に暮らす家族。地主の脅しやファシズム、二つの戦争に屈することなく、この地を守り抜く人たち。
戦争で命を失った者、地主に楯突いたために流刑になり戻ってきた後も非業の死を遂げた者…「権力に屈しない」と言うことは簡単だが、失ってきたものは大きい。
それでも命は次の世代に引き継がれ、彼ら一族の物語は語り継がれていく。

辛い物語だが、豊かな自然の描写と丘に隠された遺跡の謎と強くたくましい男と女たちに圧倒されながら読み終えた。