りつこの読書と落語メモ

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愉楽

愉楽

愉楽

★★★★★

真夏に大雪が降った年、障害者ばかりの僻村・受活村では、レーニンの遺体を購入して記念館を建設し、観光産業の目玉にするという計画が始動する。その資金を調達するため、村人たちの中から超絶技能を持った者が選抜され、旅の一座を結成する。飛ぶように走る片脚の青年、下半身不随の刺繍の名手、微かな音も聞き分けるめくらの少女…。激動の20世紀を背景に繰りひろげられる狂躁の日々。想像力と現実が混淆する魔術的物語。中国社会の矛盾を撃つ笑いと涙の大長篇。フランツ・カフカ賞受賞。

ラテンアメリカもビックリの強烈な物語。
暴力、略奪の描写にゾッとするのだが、不幸や不遇や差別を弾きとばすような圧倒的なユーモアと生命力に満ちていてそこに救われる。
これを日本風にじっとりやられたらとてもじゃないが読み進められなかった。

フィクションではあるけれどここに描かれる人間は中国でリアルなのかどうかがちょっと気になる。
自国で発禁に次ぐ発禁になっているのも頷けるが、政治的な云々だけではなく人間の姿を圧倒的なフィクションの中で描いている。傑作。