りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第二十六回 鎌倉はなし会 柳家小三治独演会

3/18(木)、逗子文化プラザ なぎさホールで行われた「第二十六回 鎌倉はなし会 柳家小三治独演会」に行ってきた。
2月小三治師匠の会に行けなかったので、小三治切れが甚だしく、とても楽しみにしていた会。

・ろべえ「道灌」
小三治「猫の災難」
〜仲入り〜
小三治「小言念仏」

小三治師匠「猫の災難」
句会の話を懐かしく。
扇橋師匠は小中学生の頃から俳句が素晴らしくまさに「神童」だった。いったいどんな大人になるのかと思われていてあれですから。
「まくら」にも書いてあった煮こごりの俳句の話などから、自分も全くの素人で下手くそだったけれど40年近くやって、俳句の善し悪しはわかるようになってきた。
とはいっても俳句というのは流派があるので、自分たちの中では「いいね」と悦に入っていても、他の流派から見ると全く面白くないというのはよくあること。
だから一番困るのは、私の句集を見てください、と送られてくること。あれはほんとに困る。

そんな話をつらつらしてお酒のまくらにはいったので「禁酒番屋」かなと思っていると、なんと「猫の災難」!
小三治師匠の「猫の災難」を生で見るのは初めてでうれしい!

酒を飲みたいくまさんが兄ぃが買ってきた酒を前に我慢しきれず一杯飲むと、もうちょっとだけ飲みたくなり、またまた飲みたくなり…。
飲んでるうちにどんどん意地汚くなってきて、こぼした酒を「もったいねぇ」とちゅうちゅう吸ったり、押せばじわりと出てくるんだよと畳をぎゅうっと押したり。顔を完全に床にくっつけて必死に吸ってる姿が、酒飲みのくまさんにしか見えなくなってくる。
こんなにまでして必死に鯛を探して帰ってこないなんてあいつも意地汚いねぇなんて言ってみたり、早く帰ってこないかなぁ待ってる身にもなれよと寂しがったり…これっぱかりあってもしょうがないやって全部飲んじゃったり。

ひどいんだけど、多分兄貴は真相を知って怒っても最終的には許してくれるんだろうなぁ。 そんな二人の関係性も見えてきて楽しい。
大好きなお酒が手に入って昼間から意地汚く飲んで幸せな休日が浮かび上がってくる。
すごくよかった…。行った甲斐があった。満足。

「小言念仏」
1席目が長いからすぐに噺に入るかなと思っていると、最近ハマっているというたい焼きの話。
自分の家のそばのたい焼き屋は中にあんこじゃなくてさつまいもが入っていて戦時中を思い出して嫌だ、中野で売ってる神田に本店があるたい焼き屋がうまい、九州で食べたたい焼きはこうだった、クロワッサンの皮のたい焼きも食べたけど周りが切り離してなくて下敷きみたいになってるのはどうだ、15分ぐらいたい焼きについて語る語る。
さすが凝り性。あっちこっち食べ比べたりするのが楽しいんだろうなぁ。

まくらが長くてこれはきっと…と思っているとやっぱり「小言念仏」。
「またか」みたいに言う人もいるけど、小三治師匠の「小言念仏」は本当に面白くて何回聞いても楽しいんだよなぁ。
この日は体調が良かったのかすごく快調な「小言念仏」で、私の隣に座った明らかおとうさんの付き合いで連れてこられてぶうぶうだった中学生が、たい焼きのまくらと「小言念仏」に思わず、わはは!!と笑っていたのが印象的だった。

ポクポクのリズムが正確で時々ちゃんと念仏を唱えるのが楽しい。
赤ちゃんに向かって「ばぁー」。どじょうやに向かって「どじょうやーーー」。
いつも通りだけどいつも楽しい。よかった。