りつこの読書と落語メモ

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今日も一日きみを見てた

今日も一日きみを見てた

今日も一日きみを見てた

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2010年子猫をもらい受け、最初はおずおずと戸惑いながら、愛猫の行動のいちいちに目をみはり、感動し、次第にトトのいない生活なんて考えられないほどに溺愛していく角田さんの、愛ダダ漏れの極上猫エッセイ。

私が猫好きになったのは角田さんのトトほほ日記を読むようになってから。
作家が飼うからそうなるのか、作家の目で見るからにそう見えるのか分からないけど、物言いたげなじっとりした様子がいかにも「作家の猫」らしくてうっとり。
そして初めて家にやって来た時からトトはトトだったんだなぁ…と思う。

トトとの暮らしを時にエモーショナルに、時に外側から冷静に語る言葉にグッとくる。

膝にのせると、体を丸めて、ちいさなちいさな頭を私の手の甲にぽとりと落とし、眠るではないか。今までゆきずりの猫しかさわったことのない私は感動のあまり泣きそうになった。なんてかわいいのだ。ああ、なんて、なんて、なんて。

私はこの先たぶん、どんどん心配性になっていくだろう。愛するものができるということは、こんなにもこわいあれこれが増えるということだし、こんなにも非理性的な想像力が鍛えられることであると、私はふかふかのちいさな生きものに、日々教わっている。

癒しとか慰めとかそんな簡単な言葉では言い尽くせない「生きもの」との暮らし。
そこにいて生きていてくれることに感謝する気持ちが伝わってきて何度も涙ぐんだ。ともに生きることを体験できる幸せ。それはなにものにも代え難い。
愛猫への溢れ出る愛を語りながら、それだけに終わってないからやっぱり作家ってすごい。