りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

三笑亭夢吉 落語会 豊國アトリエ

1/27(火)、豊國アトリエで行われた「三笑亭夢吉 落語会」に行ってきた。
久しぶりの夢吉さん。ニコニコ笑顔で出てくるとそれだけで「わーーー」とテンションが上がる。
一緒に行った友達もすっかり夢吉さんファンになっていて一緒に「わーーー」と喜んでいてうれしかった。

・「鷺とり」
・「くしゃみ講釈」
〜仲入り〜
・「藪入り」

「鷺とり」
この場所で2回めの独演会という夢吉さん。
前回はどなたかの会をやる前のプレお披露目ということで夢吉さんの会が開催されたらしい。
その1回目の時から改善点が見られるのが嬉しいですね、という夢吉さん。
前は真正面の窓のところから通る人たちが覗くのが気になってしょうがなかったけど、そこに掛け軸がかけられて見えないようにしてくれている。
あとこの脚立。前はここに踏み台があったんですけど結構その踏み台から高座までの間の段差があって、上がろうとしてうんしょ!と力をこめたらそれが壊れてしまった。後で見たら50キロ以上のものを載せないでください、と書いてあって、はなから自分はオーバーしていた。

そんなまくらから「鷺とり」。
鷺を取りに行くところで、ひっぱたくと白目をむいちゃう鷺がたまらん…。
シュールな噺だよなぁ。でもこういうとんでもない噺、大好き。

「くしゃみ講釈」
今日はまんべんなく座っていただいてありがとうございます、と夢吉さん。
とくに前の方に座っていただいた方、これからする噺は私が持っている噺の中で最も汗とつばが飛ぶ噺なんで申し訳ありません、と「くしゃみ講釈」。
なんでもすぐ忘れちゃう男がすごく夢吉さんに合っていてかわいらしい。
講釈師に仕返しをしに行ったはずなのに、兄ぃに「ほらそろそろ」と合図をされると、「これからどうなるんだろうね」とワクワクしちゃってるのがおかしい。
そして講釈師のくしゃみのひどいこと(笑)。何回見ても腸よじれる。

「藪入り」
みなさん耳にタコだとは思いますが真打になって名前を襲名することになりましてと言う夢吉さん。
おめでとうーーーと心をこめて拍手。
披露目のチケットが協会から送られてきたんですが、ノルマはないと言いながらこれが千枚ありまして。これで殴ったら人殺せるなっていうぐらいの重みがありまして、相当プレッシャーかかってます。 なので行ってやろうという気持ちがありましたら後で来てください、と。
お披露目は何回か行こうと思っていて、できればご本人からチケットを買いたいなぁと思っていたので、うれしいーー。何回行けるかなぁ…。

真打になる今より二つ目になった時の方が嬉しかった、と夢吉さん。
自分は17歳で家を出て落語家になったけれど、円満に出てきたわけじゃなかった。
とくに父親は「俺はお前が落語家になることについて賛成も反対もしない」と言いながら「でももう二度と家に帰って来るな」って思い切り反対していた。
東京から実家に電話をかけると母親や姉は「どうしてる?大丈夫?」と心配してくれていたけど、父親は自分からの電話だと分かると無言でがちゃん!と切ってしまった。
前座は休みがもらえないこともあって5年間帰らなかったけど、出てきたのが17歳とまだ子どもみたいなものだったので、父親に5年間拒まれ続けるというのは結構辛かった。
それが二つ目になった時実家に電話をして母親に伝えると、2分後ぐらいに電話がかかってきて出ると父親で「お前、良く頑張ったな」と。
これでようやく許してもらえた。

…だめだ。その話でもう泣きそう…。
そんなまくらからの「藪入り」。

これがほんとに良かった。
子どもが帰ってくるので眠れなくておかみさんに話しかけ続ける父親がかわいくて、待ちわびた子どもが帰ってきたときには顔を正視できずにやたらと丁寧に話すのがもう…。
疑われた子どもがそれまでの大人びた態度じゃなくなって子どもらしく泣くのがもう…。
迎える父親と帰る子ども、両方の想いが夢吉さんらしく明るく表現されていて、とてもよかった。

終演後、夢吉さんからチケットを買えてほくほく。
4枚買っちゃった。