りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ノラや寄席 喜多八・はん治二人会

1/25(日)、高円寺HACOで行われた「ノラや寄席 喜多八・はん治二人会」に行ってきた。
小さな店内はお客さんでいっぱい。このおふたりをこんなに小さなはこで見られる幸せよ…。

・喜多八「長屋の算術」
・喜多八「もぐら泥」
〜仲入り〜
・はん治「妻の旅行」
・はん治「背なで老いてる唐獅子牡丹」

喜多八師匠「長屋の算術」
本来であれば最初にあがった自分がトリをやるというのが順番通りだけど、今回は自分が続けて2席やって仲入りのあとに、はん治が2席やります、という喜多八師匠。
もともと開演時間が18時というのはわかっていたはずなのにぼんやりしていてはん治師匠に寄席の出番があってまだ到着してない、と。
昼の浅草演芸ホールではん治師匠に会ったので「お前、出番をずらしてもらえよ」と言うと、「ほえ?」。あいつもまだ事の重要さに気づいてなかった。

「長屋の算術」は以前ろべえさんで聞いたことがある。
長屋の無学を世間の人たちに笑われているのが悔しいからお前たちに算術を教えてやると言う大家さん。
お店に行って買い物をしたとしよう、という問題を出しても、長屋連中がああだこうだと文句を言ったり引っかかったりして全然計算が進まない。
それだけの噺だけれど、大家さんとのやりとりがなんともいえずおかしくて大笑い。

喜多八師匠「もぐら泥」
敷居の下に穴を掘って鍵の掛けがねを外そうとする泥棒。目算を誤って鍵に手が届かないどころか店の主人に見つかって腕を縛り上げられてしまう。
懇願したり恫喝したり犬におしっこをひっかけられたり…。
喜多八師匠の顔芸が素晴らしく、大爆笑。
前のおばあさんが相当な喜多八ファンらしくちょっとでも見ようと頭をあっちこっちに動かすのでこちらもあわせて動かしてすっかり首が痛くなっちゃった。

はん治師匠「妻の旅行」
仲入りになったらはん治師匠が入ってきてみんなで「わーー」と歓迎。
高円寺でラーメンを食べようと近くに来ていた一琴師匠とストレート松浦さんが喜多八師匠がいることに気づいて店内に入ってきて、さらに「わーーー」と盛り上がる。
なんか得した気分。

寄席の出番を変わってもらってお店についたらちょうど喜多八師匠が1席目をやってるところだったとはん治師匠。
仲入になるまでお店の外で待っていたのかしら…。
私の方は相変わらずのお噺ですと「妻の旅行」。これがもうめちゃくちゃ楽しい。2回ぐらい聞いているけど、こんなに近くで見たことはなかったのでうれしい〜。

「お前の母さんな。…あれはうるさいぞ〜」
「母さんがうるさいのはわかってるよ」
「いいや、お前はわかってない。お前は何もわかってない。お前が思ううるさいと俺のうるさいとでは全然レベルが違う」
もうとにかく間が絶妙で、ぼやいてもぼやいても全然イヤミがなくてただただおかしい。
新作だけど、なんか小三治師匠に通じるおかしさがあるなぁ…。はん治師匠、最高だ。

はん治師匠「背なで老いてる唐獅子牡丹」
これも何回も見ている噺なのに何度見ても笑ってしまう。
親分がすっかり老いちゃったけどやっぱりちゃんと親分で、おかみさんも老いちゃってるけどやっぱりちゃんとやくざのおかみさんで、そんな人たちの大真面目だけど加齢を感じさせるやりとりがなんともおかしい。

「♪ぎ〜り〜と人情〜んんんん〜かけて〜」
歌がしみじみうまいのがさらにおかしさを生んでいる。
「保険」をかけるのは何回か聞いてたけど、「お水」をかけるのは初めてきいた。
ロングバージョンだったのかな。(笑)

この日は打ち上げにも参加して、はん治師匠とお話がしたい!と友達と念を送っていたら(?)、後半になって席を移動してきてくれたはん治師匠。
こちらに来ながらなんと投げキッス。思わず「わーーー!!」と投げキッスをし返すと、まわりにいた友達に「りつこさんっ!!なにを!」「ちょっと!!」と突っ込まれる。
い、いやだって…ちゃんとお返ししないと…もごもご。

私たちのミーハーな質問にニコニコと丁寧に答えてくれて、一緒に写真も撮ってくれて、前髪が素敵ですーと褒めると「え?そ、そう?ちょっと今伸びちゃって」と気にして前髪を何度も触り、友だちが「鈴本の独演会で見たはん治師匠のらくだが今まで見たらくだの中で一番好きでした」と言うと「え?き、来てくれてたの?う、うれしいなぁ」と立ち上がるはん治師匠のあまりのかわいらしさに、その場にいた人たちはみなメロメロ。
今までも好きだったけどお話しをしてますます好きになってしまった。