りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

らくご街道雲助五拾三次ー雪ー

1/23(金)、日本橋公会堂で行われた「らくご街道雲助五拾三次ー雪ー」に行ってきた。

・雲助「雑俳」
・雲助「夢金」
〜仲入り〜
・雲助「鰍沢

この日のテーマは「雪」。
雪の噺なんていくらでもあるだろうと思っていて、「雪っていったらあれとあれだろ」。でもいくら考えてもその先が出てこない。
楽屋で先輩に聞いてみると、「雪の噺?雪っていやぁあれとあれだろ」。でもやっぱりその先が続かない。
あれ、意外とないな。困ったな。
じゃなんか趣向でもするか。雪といえばあれだな。雪を降らせるんだな。と安直に。
しかしこれ結構金がかかる。金がかかるとどうなるかというと、ちょっと降らせるだけじゃもったいない、となる。
だから今日はのべつ雪が降ります。それは演出というよりは金がもったいないから、せっかくだからという理由。

「雑俳」
「落語に出てくる登場人物っていうのは決まっていて、くまさんにはっつぁんに横丁のご隠居さん」。
うわ、こういうふうに話し始める雲助師匠を初めて見たかも!
そういえば、くまさんとご隠居さんの会話で始まる噺を雲助師匠で見たことがあんまりないんだ!
「雑俳」、なんてことない噺だけど好きなんだよなぁ。こういうの、ずーっと聞いていられる。
大爆笑じゃなくて小笑いなんだけど疲れなくて楽しい。小満ん師匠や市馬師匠っていうイメージで、雲助師匠がやるっていうのがなんか意外で楽しかった。
ここで雪が降ってきたのがまたおかしかった。

「夢金」
やはり雪といえばこの噺なんだなー。
でも待てよ。この日は「鰍沢」がネタだしされているのに、仲入前に「夢金」やっちゃうんだ。雲助師匠の落語体力ってとてつもない…。
雲助師匠がやると侍がほんとに悪そうでかっこいい〜。
それにいっぱい食わせる船頭がおっちょこちょいでおかしい。
船を漕ぐシーンで雪がばーーーっと降ってきて見ていて寒さが伝わってきてとてもよかった。

鰍沢
鰍沢」を生で見るのは初めて。
いやぁもう引き込まれた。
道に迷った旅人が家を見つけて外から話しかけた時に、家の中にいる女が立ち上がりもせず冷ややかなのがその後の展開を予感させる。
気のない様子だったお熊が旅人の金を見てはっとして目の色が変わると場の空気も変わるのがすごい。
逃げ出した旅人を鉄砲を手にしたお熊が追いかけるところが、本当にその情景が目に浮かんできて、すごくきれいだったのだ。これはなんだ。
最後は芝居仕立てで、ただただ圧倒された。
何回も見たいような噺ではないけれど、初めて見た「鰍沢」が雲助師匠っていうのが嬉しい。