りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家小三治 独演会 大田区民ホール アプリコ 大ホール

12/22(月)、大田区民ホール アプリコ 大ホールで行われた「柳家小三治 独演会」に行ってきた。

・はん治「妻の旅行」
小三治時そば
〜仲入〜
小三治「野ざらし」

はん治師匠「妻の旅行」
やったー!はん治師匠!(大好き)
いつもの新幹線のまくらで「背なで老いてる唐獅子牡丹」かなと思っていたら、なんと「妻の旅行」!これ聞きたかったんだー。うれしいー。
子どもが巣立ち妻とふたり暮らしになった男の嘆きがもうおかしいおかしい。料理がまずい、テレビを見てるといちいち話しかけてきてうるさい、ぶつくさぶつくさ言うんだけど、はん治師匠にまるで毒気がないので、なんかほんとに気の毒になってきて笑える。
楽しかったー。

小三治師匠「時そば
まくらで話すことが定まらなかったのか、わりとあっさりと売り声のまくらに入って「時そば」。
今年は時そば遭遇率が高いわー(笑)。

小三治師匠「野ざらし」
今日はまくらはあんまりやらないのかな、と思っていたら、仲入後のまくらが大変なことに…。
「それより選挙です」と言って、怒りをぶちまけ始めた小三治師匠。
いつも結構はっきり物を言う小三治師匠だけど、政治的なことをここまで率直にはっきり言うのを見たのは初めてで、ああ、ほんとに怒ってるんだ…危ぶんでいるんだ、今日は思ってること全部言うつもりなんだ、と思うとなんかたまらない気持ちに。
いちいち拍手するのもなんか違う気がして…でもほんとにそうだそうだ!私もそう思ってる!同じ気持ちでうれしい。だから小三治師匠が好きなんだ。とほんとに強く思ったのだった。
こんなにヒートアップして今日はもうまくらだけ?と思っていると、袖からはん治師匠がそそそっと出てきて膝をついて「師匠、あと15分です」。
わはははは。こんなの初めて見た!しかもそれをはん治師匠がいいに来たっていうのがもうめちゃくちゃおかしい。

「この会場は時間に厳しいんです」と小三治師匠。
さてどうするのかと思っていると、「でもこんな世の中だから自分の楽しみを見つけなきゃいけない」と趣味の話になって釣りのまくらをふって、「野ざらし」だ!
15分しかなくて「野ざらし」やっちゃうんだね!と思っていると、これがまたさっきまでの怒りが嘘のようにゴキゲンな「野ざらし」で、笑ってる場合じゃないのかもなぁと思いながらも大笑い。
政治の話は嫌いだけど、嫌いと言って目を背けてばかりはいられない時代になってきている。ほんとにそうおもう。