りつこの読書と落語メモ

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増補版 ぐっとくる題名

★★★★★

一度聞いたら忘れられない、「心に残る題名」のテクニックとは?気鋭のコラムニストが、文学、漫画、映画、音楽など、ジャンルを横断した58作品の題名を分析、その魅力を語り尽くす。某芥川賞作家の、自作の題名が決まるまでの舞台裏も明かされる!?タイトル付けに悩むすべての人におくる実用派エッセイ集。

ブルボン小林が、文学や漫画、映画、音楽などの中から、心に残るぐっとくる題名を分析するエッセイ集。

とにかく言葉に対する感性が素晴らしく考察も丁寧で的を得ている。それをバカバカしいエッセンスをたっぷり振りかけて、「さぁどうぞ」と差し出すこのサービス精神がたまらない。
しかも全く押しつけがましくないんだよなぁ。大好きだ。

助詞の使い方や、韻の踏み方、言葉と言葉の距離、命令調などロジック的な分析から、いいかけてやめる、言い切ってしまうなどのマインド篇、そして実際に作品にタイトルをつけるまでのドキュメンタリーと、盛りだくさんの内容なのだが、まじめに語っているのに笑えるし、ゲラゲラ笑いながらも「なるほど」と膝を打ってしまう。すばらしい。

「ツァラトストラかく語りき」というタイトルについてあれこれ語ったあとで

いったいなにを言ったんだろうね、ツァラトストラは(読めよ)。
には笑った。

本を選んだり映画や音楽にはっとしたりグッときたりすることがあるけれど、どこにはっときたかをうまく説明することができない。それをこんな風に分かりやすく文章にするってほんとにすごい。
このいかにも新書っぽい表紙もたまらない。楽しかった!