りつこの読書と落語メモ

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絶望名人カフカの人生論

絶望名人カフカの人生論

絶望名人カフカの人生論

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

★★★★★

誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、誰よりも前に進もうとしなかった人間の言葉。今までになかった“絶望の名言集”。

役に立つもの、金になるもの、自分の利益になるもの、自分にわかるものしか認めないという風潮に空恐ろしさを感じるので、絶望を見つめ続けたカフカの言葉には勇気付けられた。
陰があるから光があるのであって、絶望があるから希望も生まれる。絶望したことがない人に希望は語れない。

カフカの心のそこにある怯えや悲しみや恐怖や罪悪感や泣き言ををこれでもかと集めてあるのに、読んでるこちらは励まされ、ユーモアさえ感じられて優しさと温かさに包まれる不思議。
カフカの言葉に浸りたいので左ページの解説が時々煩く感じるが、こうやって様々な断片からカフカの言葉を集めて本にしてくれたことに感謝!

積んでるうちに文庫にもなってた!めでたい!