バ・イ・ク
- 作者: 柳家小三治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/05/13
- メディア: 文庫
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またまた長ーい小三治まくら、“バイクほど人間くさい機械はない”でご機嫌伺います。41歳でバイクと恋に落ち猛アタック。寄席通い、一人旅は勿論、噺家バイク仲間と北海道ツーリング。広い大地、転落事故も噺のネタの落語会、うまいもん、混浴、温かい人々…中年青春グラフィティの一席、たっぷりお楽しみの程を。
こんなに大好きだったバイク、10年で乗れなくなってしまったなんてと気の毒に思うけど、今も時々まくらでバイクに乗っていた時のことや北海道の話をされることがあるから、師匠にとってはバイクを乗っていたこの頃のことはキラキラ輝く想い出なんだろうなぁ。
ここに出てくる小三治師匠が若くて泣けるんだけど、年を取っても人間国宝になっても、この小三治師匠に今の小三治師匠が積み重なっている。だからおじいさんに見えないんだ。
バイクを独学で練習する過程がいかにも凝り性らしくなるほど…と思った。もともと運動が得意な方じゃなかったというのもなんかとてもらしくて素敵だ。
そして伯楽師匠。今までは高座で自分の本を宣伝するキザな噺家という認識しかなかったんだけど、これを読んで「バイクで崖から落ちる人」に変わったわ(笑)。大怪我をしてその土地で人気者になって落語会を開くようになったなんていかにも噺家らしくて最高だわ。