りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小満ん在庫棚卸し

11/2(日)、四谷荒木町橘家で行われた小満ん在庫棚卸しに行ってきた。
大好きなこの会も残すところあと一回。この会が終わってしまったらどこで小満ん師匠を見ればいいの?お江戸日本橋亭や目白でやっている小満ん師匠の会もあるけれど、どれも平日のわりと早い時間の開演でちょっとハードルが高い〜。でも定期的に小満ん師匠が見られないのはつらい〜。ううう。
落語を聴き始めてまだほんの2年ぐらいだし通でも何でもない私だけど、とにかく小満ん師匠のお噺が好きでしょうがない。
子どもの頃に読めない字があってもなんでもとにかくお話が読みたくて、背伸びして大人向けの文学全集を読んだりしたのと通じるものがあるのかも。

・小満ん「道具屋」
・小満ん「庚申待ち」
〜仲入り〜
・小満ん「山崎屋」

「道具屋」
小満ん師匠がやると「道具屋」もこんなに面白いのか。
おじさんから商売を譲ってやると言われて道具屋を出した与太郎。そこに次々お客が訪ねてくる。ただそれだけなんだけど、おじさんと与太郎与太郎とお客のやりとりがなんともいえず楽しい。
朝お祈りを忘れたからと言って売り物の木魚を叩くおばあさん。
毛抜きでヒゲを丁寧に抜き始めるおじいさん。この抜いてる様がなんともノンキで楽しいんだなぁ。
落語のこういうところが好きなの!と誰かに説明したくなる。

「庚申待ち」
これは前に雲助師匠で聞いて好きだった噺。
庚申の日に三尸 (さんし) の虫に悪口を言われないように寝ずに番をしようじゃないかというのが「庚申待ち」。
信心深い宿屋の主人。庚申の日には宿屋を閉めて村の人たちを泊まらせてみんなで話をしながら夜を明かす。この日はいつも泊まりに来る侍が無理矢理泊まった他に客はなく、いつものように集まって話をし合うのだが、この話というのがどれもバカバカしいホラ話。
次々披露されるホラ話が本当に楽しくて、オチを聞いては大爆笑の繰り返し。もうほんとにいつまでもこうして聞いていたいという気持ちになる。途中までおどろおどろしいだけに最後まで聞いてふにゃっと力が抜けるのが楽しい。

「山崎屋」
初めて聞いた噺。
若旦那が番頭に小遣いをせびっている。番頭は小遣いならあげますよというのだが、その金額が30両と聞いて驚く。
そんなお金はあげられませんというと、お前からもらおうというんじゃない、店の勘定をごまかしてくれ、という。 私はそんなことはしない、堅い人間なんですと番頭が言うと、いやそんなことはないだろうと言って、番頭が脇に女を置いているのを知ってると言う若旦那。
脅しかよ!と嫌な気持ちにならないのは、この番頭が正体がバレていることがわかるととたんに計略を考え出すところが、いかにも遊び人っぽくて楽しいから。
番頭の計画通り、お礼をしに出入りの職人の家を訪れた旦那が、本当は渡したくない御礼金のネタバラシをしてしまうのも、お茶を運んできた花魁に目が行ってにやっと笑うのも、軽やかで楽しくて最高。
旦那が番頭が言ってた通りの反応を示すのがもうおかしくておかしくて、また最後に元花魁の若旦那の女房と話をする場面がもうなんともいえずおかしくて、楽しい!

今日の3席はどれも軽くて洒落ていてほんとに楽しかった。満足。