りつこの読書と落語メモ

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遊雀式スペシャル「輪廻転生」

10/29(水)、東京芸術劇場 シアターウエストで行われた遊雀スペシャル「輪廻転生」に行ってきた。
好きだ好きだと言いながら寄席でしか見たことがなかった遊雀師匠。独演会があることを師匠のホームページで知り早速予約。ご本人から「予約ありがとう」メールが来てびっくり!わーい。
シアターウエストはお客さんでいっぱい。
プログラムにはこの会に賭ける師匠の意気込みが書かれていてちょっと感激。こういうの、うれしいなぁ。

・オープニング(法話研鑽会)
遊雀粗忽長屋
遊雀「死神」
〜仲入り〜
ぴろき ギタレレ漫談
遊雀「らくだ」

遊雀師匠「粗忽長屋
開演のベルが鳴ると場内が暗くなり読経が流れ始める。え?なに、これ?こんな始まり方?
驚いていると、後ろのドアがばーんと開き、お坊さんがお経を読みながら舞台に向かって歩いてくる。ななななにごと?
舞台に上がって一列に並んでお経を読み続けているお坊さんたち。いつまで続くんだ?と思っていると、胸元から花びらのような紙を取り出して客席に向かって投げてくる。
わーーきれい。でもなに、これ?志の輔風味?結構そういう大仰な感じの会なの?

そんな風に思っていると後ろの緞帳が上がり遊雀師匠がようやく登場。
先ほどのお坊さんたちの余韻を楽しむかのように見とれている風な語りだし。あ、これは「粗忽長屋」だ。
噺が始まればいつもの遊雀師匠。そうだ、私は遊雀師匠のこの軽さと伸びやかなところが好きなんだ。

遊雀師匠「死神」
オープニングに触れ、あれは自分の生前葬なのだ、と。
今回の会のタイトルが「輪廻転生」で死を扱った噺ばかりが選ばれているし、それであのオープニングだったのか。
あのお坊さんたちとは以前会でご一緒したことがあり、そのあとの打ち上げで飲んでいる時に今回の約束をしたらしい。シラフだったら頼みにくいことも酒の勢いを借りて頼めるからお酒万歳、と笑う師匠が素敵だ。
遊雀師匠の死神はとっても軽い。借金で首が回らなくなった男が「もう死んじゃおうかなぁ」とつぶやくと、「呼んだ?」とかる〜く出てきて、死ぬのを手伝ってやろうとする。
いや、死にたいとは言ったけど、言ったけど今すぐ死のうっていうんじゃなくて、と男が慌てて言うと、「なんだ、死なないんだ」と去っていこうとする。
こういう死神もありなのね、と大笑い。
オチもまたいかにもこの死神らしくて面白かった。

遊雀師匠「らくだ」
あんまり好きな噺ではないんだけど、遊雀師匠のやるらくだの兄貴はそんなに理不尽に怖くなくて好き。脅すのは「俺は”はい”っていう返事が好きなんだ。」だけで、それ以上に凄んだりしないからいいな。
気弱な屑屋さんが3杯目の酒から味わいはじめてだんだん楽しくなってくるのが見ていてこちらも楽しくなってくる。 また酔っ払って浮かれるシーンでゲストのぴろきさんの「明るく陽気にいきましょう」を入れたり、最初にやった粗忽長屋が出てきたりするのが楽しい。
焼き場の源さんの酔っ払い方がおかまっぽいのもおかしくて、後半はもう笑い通しだった。

サービス精神たっぷりだけど気負わないゆるさが心地よくてとても楽しい会だった。