りつこの読書と落語メモ

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愛はさだめ、さだめは死

★★★★★

自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサイバーパンクSFの先駆的作品「接続された女」、ユカタン半島に不時着した飛行機の乗客が体験した意外な事件を軸に、男女の性の落差を鋭くえぐった問題作「男たちの知らない女」など、つねにアメリカSF界の話題を独占し、注目をあつめつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた華麗なる傑作中短篇全12篇を結集!

タイトルに惹かれていたものの、SFはそれほど得意じゃないし…と何年もの間読まずにいた本。
この間読んだ「図書室の魔法」で絶賛されていたので、勇気を出して読んでみることに。

確かにわかりづらくて理解をするのに時間がかかったり最後まで「??」というものもあったが、おさめられた12篇がバラエティに富んでいて、この作家の想像力の果てしなさに驚いた。
そして作者のドラマティックな人生にも驚愕。非常に「死」と近いところにいた作家だったんだろうな、と感じた。

接続された女
発表された当初は相当奇抜な作品ととらえられていたのではないかと思うが、今こうして読んでみると、妙なリアル感があって恐ろしい。短い作品なのにこのインパクトと余韻はいったい…。

「男たちの知らない女」
おと〜ことおん〜なのあい〜だには〜♪
男の側から見た女の不思議と、女の側から見た男のエゴイズム。
なにも恐れず全てを捨てて身を投げ出すくらい、彼女の今の生活が輝きのないものなのかと思うと、その切実さが胸に痛い。

「恐竜の鼻は夜ひらく」
こここれは…。トンデモユーモア。

「愛はさだめ、さだめは死」
題名を裏切る内容の奇抜さがたまらない。