りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小満ん在庫棚卸し

10/5(日)、四谷荒木町橘家で行われた小満ん在庫棚卸しに行ってきた。
書くのを忘れていた事を思い出したけど、思い出したときには記憶は遥か彼方というさみしさよ…よよよ。

・小満ん「呼び継ぎ」
・小満ん「鶉衣」
〜仲入り〜
・小満ん「九州吹き戻し」

「呼び継ぎ」
この間三三さんが教えてくださいといらして自分でも久しぶりに思い出してやってみます、と。
もともとは随筆で、読んで面白い!と思って作者に「落語にしてみたいのだけれどよろしいですか」と連絡をとったら、「だったら私が落語に書いてみましょう」と書いていただいたと。
さわりのある噺でこれをやると女性のお客様がみな嫌な顔をなさるのでしばらくやっていなかったのですが、思い出したのでやります、と。

旦那のもとに職人がたずねてきて、「ああ、よく来てくれたね」と喜んで招き入れる旦那。
この家に奉公していた娘を旦那の紹介で職人が嫁にもらった、という関係。
職人が旦那が骨董が好きだからと無理して清水で買って贈った徳利。あれはいいものでしょう?と言う職人に、「いやじつはあれはこの間欠けてしまったので修理に出している」と言う旦那。実はあれは「呼び継ぎ」といって欠けた部位を他の材料で補修していたのである。
それを聞いた職人。旦那が世話してくれた女房も実は呼び継ぎでした、と言い出す。
女性の容姿や生娘であるかどうかということを男がああでもないこうでもないと勝手を言う噺なので、確かにフェミニストからは非難をあびそうではあるけれど、私は好きだなーこれ。
確かに女性を馬鹿にしてるといえなくはないけど、やってる自分たち(男)のことも「ばかだよなー」と分かってやってる精神を感じる。こういうの全然悪くないと思うんだけどな。

「鶉衣」
これもまたうんちくがありそうでいて結局はバカバカしい噺で実に落語らしい。
こういうめったに聴けないような噺をお茶を飲みながらさりげなくはなしてくれる小満ん師匠。私は全然落語に詳しわけでもなければ通でもないんだけど、物語がとにかく大好きなので、そういうところですごく楽しめる。好き。

「九州吹き戻し」
借金で首が回らなくなった幇間・喜之助が江戸を出て熊本へ。一文無しで江戸屋という宿屋に泊まったのだが、そこの主が江戸でお世話になった大和屋のだんな。だんなに頼んで板場を手伝わせてもらった喜之助は器用で気が利くので村の人たちにも可愛がられまじめに働いていると、4年後には貯まった金が九十六両。それを聞いた喜之助は急に里心がついて江戸に帰りたくなる。
喜之助に暖簾分けをしてやってもいいとまで言ってくれていた旦那だったのだが、喜之助の江戸に帰りたい気持ちもわかると言って、送り出してくれる。
早く江戸に帰りたい喜之助は便船に乗せてもらって江戸に帰ろうとするのだが…。

最後まで聞くと「だからなんだ?」と言いたくなるような噺なのだが、小満ん師匠に淡々と語られるとほんとに楽しくてさげまできいて「ほぉ〜」と声が出た。
楽しかった!