りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

プリティ・モンスターズ

プリティ・モンスターズ

プリティ・モンスターズ

★★★★★

少女たちの奇妙な友情を綴ったローカス賞受賞の表題作。哀しくも明るい破滅の風景を描く「サーファー」。傑作ファンタジイ「パーフィルの魔法使い」。現代アメリカ女性文学の新しい潮流を代表する作家リンクの最新作品集。全10篇収録。

幻想とも奇想とも括れない不思議な世界。
子供の頃に見た映画や読んだ本のように、真っ暗闇の中で行く手になにが待っているのか分からない…足元がぐらつくような感覚。
親が死んで魔法使いに売られることと、親が再婚して急に新しい家族ができること。
全然違うけど子供にとっては同じことなのだよなぁ…。「パーフィルの魔法使い」と「シンデレラ・ゲーム」を読んで思ったり。
この「シンデレラ・ゲーム」の怖さって…。なんか見てはいけないものを見てしまったような感覚。

この危うい感覚は決して昔の出来事ではなくて今の世界に感じる不安とも重なる。
それだけに苦しくて読み砕くのに時間がかかってしまった。
隔離された建物にたてこもるべきなのかエイリアンが降り立った外へ飛び出すべきなのか。正解は分からない。