りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

らくご街道雲助五拾三次ー秋ー

9/17(水)、日本橋公会堂で行われた「らくご街道雲助五拾三次ー秋ー」に行ってきた。

・雲助「目黒のさんま」
・雲助「安兵衛狐」
〜仲入り〜
・雲助「業平文治漂流奇談〜発端〜」

昼間は末廣亭の馬生追善興業に行ってきた雲助師匠。
いろいろ師匠のことを思い出しますと言って、師匠の思い出話。
落語会の前にネタをさらったりしない馬生師匠は、よく高座で間違えたりこんがらがったりしたけど、決して間違いを認めなかった。

火焔太鼓」をどうしても馬生師匠から教わりたかった雲助師匠と今松師匠。だけど馬生師匠は、志ん生師匠が得意にしている噺はなかなかやりたがらない。
今松師匠と二人で馬生師匠のお宅に行って、わざとらしく拭き掃除をやってみせたりしていると「しょうがねぇなぁ」と教えてくれることになった。
ところがよく間違える馬生師匠。火焔太鼓の値を300両じゃなく5両という。さすがに5両じゃ話にならないよなぁと思ったけど、師匠の間違いを正すこともできず、そのまま5両で教わった。
帰る頃に自分の間違いに気づいた馬生師匠。「ああ、オヤジは太鼓の値段を300両ってやってるけど、ま、5両ぐらいのもんだろう」と。

そんなまくらから「目黒のさんま」。
雲助師匠の「目黒のさんま」は初めて聞いたけど、お殿様が他の噺家さんがやるようにバカ殿っぽくなくていたって普通…いやむしろちょっと二枚目よりなのが雲助師匠らしくていい。

「安兵衛狐」
「安兵衛狐」といえば馬石師匠の印象が強いのだが、狐のおコンさんを長屋の連中が言い表すときに「かわいいけど目がまん丸で噺家の馬石みたい」と言ったのには笑った。
そうそう。馬石師匠ってほんとに動物っぽくてだからほんとにこの噺がぴったりなんだよなー。 この噺に限っては、雲助師匠より馬石師匠のほうが面白かったのもなんか嬉しい。

「業平文治漂流奇談〜発端〜」
これは聞いたことのない噺。正義感が強くて力持ちの文治が、悪を力尽くで押さえ込む、という噺なんだけど、雲助師匠らしく(?)正義の人文治よりも、悪党の国蔵の方が印象に残る。
じわりじわりと懐に入ってわかりにくく強請るのが実に嫌な感じなのだが、そのわりに文治に暴力を振るわれるとてんで弱いというのがなんか面白い。

雲助師匠の引き出しにはほんとにいろんな噺が詰まっているのだなぁと満足して帰ってきたのであった。