りつこの読書と落語メモ

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春風亭一朝・立川左談次二人会 〜江戸の粋・昭和43年入門同期会 第2回〜

一朝師匠と左談次師匠の二人会なんて、嬉しすぎる!
このお二人が同期で仲良しだなんて知らなかったなぁ。チラシに若い時のお二人の写真が載っていてそれがもういいんだ、とっても。
今ではお二方とも立派な「師匠」だけど、若い頃はやんちゃだったんだろうなぁ、というのがにじみ出ていて微笑ましい。

・一朝&左談次 トーク
・春風亭一朝「短命」
・立川左談次「妾馬」
〜仲入り〜
・立川左談次「真田小僧
・春風亭一朝「片棒」

一朝師匠「短命」
同期って不思議です、と一朝師匠。
昨年この会をやるまでは5年ぐらい会ってなかったし、昨年の会をやってからも1年ぶりで、だからそんなにしょっちゅう会ってるっていうわけじゃないのに、会えばまるで昨夜も一緒に飲んだみたいな感覚。 同じ時期に入門して前座修行を一緒にした仲間っていうのはそれだけ特別なのだ、と。
左談次師匠は初めて会った時は本当にきちんとした好青年でおとなしくてまじめでこの人大丈夫なのかなと心配になるほどだった。
それが3ヶ月ぐらい会わないでいて再会したら「よっ!」といきなり軽くなっていた。
この3ヶ月に何があったのか?!と驚いたけど、環境が変わって、人間が「化ける」ことってあるんですね、と。
楽屋で先輩にいじめられたりして、二人で「あんなふうにはなるまい」と語り合ったり、飲んで気が大きくなって悪いこともして警察のお世話になったなんてことも。

一朝師匠ってほんとにさっぱりしていていい人だよなぁ…。
私も弟子入りするなら絶対一朝師匠がいいなぁ。といつも思う。(しないけど)

一朝師匠の「短命」は初めて。
遠まわしに言っても全く通じない男にご隠居さんが「もう帰っておくれよ」と困った風なのが楽しい。
ようやく理解した男が「なるほど!」とやたらと嬉しそうでゴキゲンなのがかわいらしく、おかみさんもいかにも一朝師匠らしく「男前」だけど、恐妻恐妻してなくて亭主の酔狂に付き合ってやるのも楽しい。
やりすぎないし余計なくすぐりもいれないけどいかにも落語らしくご機嫌で素敵だ。

左談次師匠「妾馬」
この間の立川流寄席と同じく「妾馬」(八五郎出世)。
左談次師匠らしくどこまでも軽くて調子のいい八五郎。ご褒美をもらえると聞いて「いくらぐらい?」と急にニコニコするのが、らしくてかわいい。
お殿様が優しくてでも威厳があって、八五郎をたしなめる三太夫を「あらまだいたの?」と八五郎が邪険にするのがおかしい。
人情を強調せずにあくまで能天気でゴキゲンな左談次師匠の「妾馬」好きだなー。

左談次師匠「真田小僧
現代的なギャグを好き勝手に散りばめた「真田小僧」。こういうのがいかにも左談次師匠って感じで好きだなぁー。
毒や風刺も入れるけど説教臭さはなく軽くてちゃらんぽらん。面白い。

一朝師匠「片棒」
いやもう素敵の一言。
一朝師匠らしく、笛や太鼓が本当に軽くてリズミカルで思わず拍手。
次男坊の祭り風の葬式の楽しさといったら。
カクカク動くオヤジ人形もおかしく、花火の様子は威勢がよく、最高。何度でも見たい。