りつこの読書と落語メモ

はてなダイアリーからブログに移行しました。

さようなら、オレンジ

さようなら、オレンジ (単行本)

さようなら、オレンジ (単行本)

★★★★★

オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の息子を育てている。母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練学校で英語を学びはじめる。そこには、自分の夢をなかばあきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」との出会いが待っていた。第29回太宰治賞受賞作。

故郷をなくし夫にも去られ言葉も話せないまま息子二人を育てるために精肉の仕事をするサリマ。
読み書きもできない彼女が必死に働き勉強し自己を確立していく。

誇りを持つこと、自分を客観的にとらえることに、言語がとても重要な意味を持つことに気付かされた。
読み書きができないということがどれだけよるべないことなのか。それを覚えていくことがどれだけうれしいことか。
「違う」という言葉に励まされオレンジ色の太陽に慰められ、寄り添いあう友だちに支えられ…。
まるで境遇は違うのになぜかとてちかしいものを感じたのが不思議だった。