りつこの読書と落語メモ

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夜は終わらない

夜は終わらない

夜は終わらない

★★★★★

婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。しかし彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常の玲緒奈には不思議な掟があるのだった。「ね?私が夢中になれるようなお話をしてよ」死の直前、男に語らせる話の内容で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話し続ける男たち。鬼気迫る物語が展開され、すべては一点へと…。

面白かった。
冴えない容姿にも関わらず、結婚を餌に次々男を騙し身ぐるみ剥がして最後は殺す女が主人公と聞けば、あの事件を連想してしまうのだが、事件の真相に迫る内容というわけではなく。
主人公玲緒奈は殺す直前に男に物語をねだる。物語の中身によっては助かることもあるかもしれないと男たちは必死に物語を語るのだが…。

千夜一夜物語のように、めくるめく訳のわからない世界が展開してとても好み。
幾つものストーリーが語られるなかで徐々にそれらが交わっていって現実に近づいていくのがとてもスリリング。

最も印象的だったのが「フュージョン」。
共感力が強くてスパイに向いてるってなんか身につまされる…。そ、そうなの?
反対派も賛成派も表裏一体っていうのもリアル。

でもそういう芯の部分ではない、小さな物語たちのモヤモヤしたところがたまらなく好きだった。