りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

笑福亭たま『新宿ゲリラ落語会』

7/17(木)、道楽亭で行われた笑福亭たま『新宿ゲリラ落語会』に行ってきた。
たまさんはこの間初めて見て面白かったので、落語会があるときはできるだけ行こうと思っている。
とにかく圧倒的なサービス精神。笑わせてなんぼや!という潔さが素敵だ。

・「奴さん(踊り)」
・「青菜」
・「書割盗人」
〜仲入り〜
・「豪華客船殺人事件」

たまさんは結構な男前だけど、とにかく声が大きくて(そしてルックスを裏切る声)顔芸も惜しまず時事ネタもガンガン放り込んでくる。
この日は電車が遅れていて開演時間になってもまだ到着してないお客様がいるからということで、まくらじゃなくて開口ゼロ番を。
上方と東京での開口一番の扱いの違いについて話されたのだが、これがもうめちゃくちゃ面白い
東京では前座は開演時間前に上がる。大阪でそんなことをしたら「なに?もう始まってる?それならそうと言ってや〜。見そびれて1席損したわ〜」となる。
東京だと前座は下手だから聞くほど価値もないというのか、落語をやっているのにまだ本を読んでいたりロビーにいて客席に入ってこないお客さんもいる。
これはなんやろ?「粋」の競い合いってこと?「粋」の我慢比べ?

また上方ではえらい師匠でも楽屋は個室より大部屋にいたがる傾向があるとか、長い間寄席がなかったので自分がついた師匠によって太鼓が叩けたりまるでだめだったりそのかわり大喜利が得意だったり人によっていろいろ違うとか、大阪では落語にそれほど詳しくない人や会社がプロモーターをやったりするので、なにかわけのわからない独自ルールができていってしまうとか。
もうとにかくこのまくらではない開口ゼロ番がめちゃくちゃ面白くてお得感いっぱいだった。

「奴さん(踊り)」
で、「奴さん」という踊り。お客さんの前で踊らないと上達しないのでやらせてもらうけど、たいしてうまくもないのでそれだけだと悪いと思って同じ節で2番は「春団治」っていうのを踊ります、と。
奴さんの意味を教えてくれてそのあとで踊ってくれたので「なるほどー」。そして春団治。ちゃんと録音のテープでお囃子さんが「春団治〜♪」と歌ってるのがおかしいおかしい。

「青菜」
涼しい噺をやりますと「青菜」。
これが…江戸の風などこれっぽっちも吹かない「青菜」。旦那も関西弁なので旦那らしい気取った感じはゼロ。そして植木屋さんがいちいちオーバーリアクション。家に帰ってからのおかみさんとのやり取りも激しくて、奥さんの旦那へのバカにしようや押入れから出てくる姿も当社比倍ぐらいの激しさ。ひどいけどおもしろかった。

「書割盗人」
私の大好きな「だくだく」!!めっちゃうれしい!
絵を描くしぐさとか上手なんだなー、たまさん。
「つもり」でたたかうところが激しくてめちゃくちゃ笑った。楽しかった。

「豪華客船殺人事件」
こちらは新作。「おもろないことはないと思いますけど、まあまあですわ」と始める前に。
「まあまあか」と覚悟していたからか(!)、ダジャレとか細かいツッコミとかがいちいち面白くて楽しんだ。